雪降る八月、花束を。

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ANOTHER2016を思い出す ダイゴとコウジの対比とか

ものすごーく今更。自分の思い出語りとほぼ本編の2人の話です。

 

最初に書いておきます。ここに書いたものは「全て、詳細を知らない一般のファンが書いた個人的な憶測、考察」です。本編ネタバレあります。セリフなどの詳細は文字起こしされてる方のレポをご覧ください。ふわっとした感想、愛ゆえの誇張が含まれます。

すべてフィクション世界への感想と、個人的想像、妄想上での言及になりますので、実在の全てとは切り離してお楽しみいただけると嬉しいです。

 

 

大丈夫な方のみお付き合いください。

 

自分が選択しなかった未来は誰かの選ぶ未来。自分が当たり前に生きる世界は誰かの非日常。「他」を描く脚本はその年や演者により表現を変えて受け継がれていた。2016年8月4日、私はANOTHER、関西Jr.、松竹座の舞台と出会った。

貴重な1公演の一席にデビュー組のファンが演目への興味だけで、現役の関西Jr.のかの字も知らずに入って本当にすみませんでした。結果はご覧の有様です。公演後は物販がないので後日友人にフォトセット代行お願いすることになる。公演後グッズ購入不可って実にもったいないなと思います。

  

ANOTHERでは、少年たちが夢を抱き乗り込んだ冒険旅行の客船は、嵐に飲み込まれてしまう。旅の仲間を1人失い、流れ着いた無人島での非日常な暮らし、出会いと別れが描かれる。

助かった者。助からなかった者。助けられなかった者。何故このタイトルなのか・・・「非日常」「別世界」大きな表現のほか、それぞれの「他」が冒頭から既に存在する。故にAnother…タイトルが秀逸!!!内容に合わせて考えたらタイトルなんとか漂流記とか一夏の大冒険とかで良くない?(私のセンスが無い)とか思うのですがオシャレね。ANOTHER、良いねANOTHER…。

 

 とにかく2016ANOTHERはとても解釈が捗る作品で、噛み砕くのに大変な時間がかかったし、まだ何か降りてくるかもしれない。今更なので何の宣伝にもなりやしないし、たった一回観たきりのど新規、その上専門知識もない人間が何を言うかと思われるのなんて承知の上。

・・・何回クレーム想定して先手打つんだ被害妄想大概にしろって感じの構成になって申し訳ない。自分の思考を説明することは苦手だし伝わらないトラウマもある。観覧数は限られているとはいえ、こんな自ら晒し者になるような事をするなんて馬鹿だと思ってます。でも好きが止まらなくて、衝動で書いてしまっています痛々しくても笑ってください。

どのシーンで誰が誰の対比表現になっているかは、本編を劇場で是非観て各々解釈してほしかったし、タイムマシンがあるなら私もまた観たい。

ご覧になった方の素敵な感想や解釈も簡単に検索で拾える時代ですので、今からでも全然振り返る、作品のすべては知れなくとも断片的に触れることはできる。

 

私は過去に何度も、インターネットで宝物(映像が販売されていない公演の内容感想や、好きな発言、何誌何号などの情報)を見せてもらっていて楽しませていただきました。恩返しではないですが、この自己満足が数年後数十年後に誰かの発見になれば嬉しいな、という気持ちで今後考察や感想を書いていこうと思います。

 

役?キャラクター?一人一人を深く探ると結構面白いのです。

(後に平成29年12月9日の産経新聞夕刊連載、長尾くんの発言からやはり細かい心情までの指示はないようで、最終的な役作りは演者に任されているっぽいと分かりました)以前のものの事情は分かりかねます。パンフレットにも「皆で作り上げた」の表現あり。

2015年の少年たちもめちゃくちゃ観たかった。話が逸れました。

 

本編は2部構成、最後にショータイムあり。本編はミュージカルではないですが、結構な頻度で曲が挟まってきます。これのおかげで楽しい。万国共通、言葉の要らないエンターテインメントです。脚本が多少分かりづらかったり自分に合わなくても、汲み取るより楽しんでくれと言われているような気がしました。♪Another Tomorrowで始まり同曲で終わる、王道。そしてこのAnother Tomorrowがとにかく良い。聴くと一瞬であの夏に帰る。ワクワクします。

 

「太陽丸」での冒険旅行中に嵐に巻き込まれ、名も知らぬ島に流れ着いた少年たちが島で生き残り、日本に生還すべく悲劇を乗り越えていくストーリーです。悲劇という表現はパンフレットのSTORYで書かれていたものです。・・・冒頭からキャラクターが亡くなる(しかも一度ではない)ので、事故の表現・死の表現に弱い状態で無理に観劇するのは私はお勧めしない。噂には聞いていたが、内容はそこまでポジティブではない。

2016年夏のものは、西畑大吾くん演じるダイゴ、向井康二くん演じるコウジ、大西流星くん演じるリュウセイの3人を基点にシーン切り替えされていた印象です。

一番大きな対比はダイゴとコウジの2組の兄弟の運命と、終盤の兄の選択だと思っています。ここは明らかに意識して作られた脚本なんじゃないかな。

島で出会う藤原丈一郎くん演じるジョウに助けられて異母兄弟・父の真実を知り最後は和解後島を出る「出会い・再び元の世界へ旅立つ」のタイゴと、島の生活中に弟の高橋恭平くん演じるキョウヘイを失い、元の生活に戻る事を拒んだ「別れ・立ち止まることを選んだ」コウジは対照的だと感じました。リュウセイが担うのは「協力・共生の仲介」で、対立する皆を結束させる役割でした。パンフレットで大文字+太字表記になっているのは島の長を演じる室龍太くん含めた4人だけです。パンフレット役名ありは他に藤原丈一郎くん演じるジョウ、島の長老(西畑くんが二役)の息子の道枝駿佑くん演じるシュン、コウジの弟キョウヘイの親友の長尾謙杜くん演じるケントです。でもパンフレットに役名なくても普通に劇中で苗字か名前呼ばれます。いっそ皆書いてくれるもしくは書かないかのどちらかに統一してくれたらファンは色んな気持ちを抱かずに済むのにとか思わなくはないが、あれだけ人がいるとどこ見ていいか分からないので、事前のメインキャラクターの提示はありがたかった。顔を覚えきれてなくても服の色の赤、青、黄、緑などで判別できるようになっているのが優しい仕様。

私はこの作品ではじめて関西Jr.、Jr.のみの作品を拝見しました。事務所の色は強いものの、タレント各々の魅力、能力が垣間見える機会は劇中に沢山ある。歌って、笑って、泣いて、時に争い、葛藤し和解するキャラクターのなかに演者自身が生きていて、俺を見つけてくれ選んでくれと演技を通して言われている様。Jr.沼こっわ・・・!!配役はオーディションや色々な事情からの選抜なのだろうけど、立ち位置は関係なしに好きな子を探せる余裕のある内容。台詞の言葉がいちいち強かったり、観ながら考え込むようなリアリティの強い内容ではないし、現実味がないからこそいい意味で生々しくなくライトに楽しめます。楽曲や日替り、お笑いパートもあるので重たくはなり過ぎない。もちろん一個人を掘り下げたり、演技を深読みできる自由度もある。既に「推し」がいる状態で、定点したら楽しそうだなという初見印象。伝わるかわからないのですが、なんとなくでも楽しい、本に例えたら小学生が図書室にあったら押絵やタイトルから手に取りたくなる文庫本の手軽さを感じ、良いと思いました。

 

喧嘩・棒術などのアクションシーンや、死に演技・役の解釈・感情の込め方など、今後のためファンや関係者へアピールできる素敵な機会でもありますよね。

一生懸命な人は、応援したくなります。

 

ここからは、特に印象の強かったダイゴとコウジの対照的なエンディングについてそれぞれ書いていこうと思う。本編時点では「推し」が居なかったからこそ今更掘り返したくなる位2016夏の本編が好きなのかもしれない。

 ★ダイゴ (西畑大吾

明確に設定として明示されてはいないが観れば分かる主人公体質。メイン衣装は赤基調。漂流時皆とはぐれ一人皆と反対側に流れつく。2年前に漂流し生き残っていたジョウ(藤原丈一郎)と合流し、日本への生還と仲間との再会を目指す。父も同じくダイゴが幼いころに船旅に出たきり行方不明になっている。

⇒周辺調査中に先住民である島の民のシュン(道枝駿佑)と出会う。初対面で不思議と親近感を感じた実は二人は血のつながった兄弟だった。そして島の先住民の長老として、失踪した父が生きていた。ダイゴは自分と母を捨てた父を恨みながらも恨み切れず、毒草の毒に侵されたシュンを助け、のち島の民、父と和解し日本に帰る船を用意してもらえることになり無事に日本へ帰還する。またいつかと、再会の約束をして。

 ★コウジ(向井康二

船旅の企画者で皆のリーダー的存在。メイン衣装は青基調。皆をまとめようとするも、冷静すぎて反感をかったり、本人も少々血の気の多い。恐らく責任感は強い。弟のキョウヘイ(高橋恭平)も共に旅に参加している。

⇒頭は良くて器用だが、劇中では次々と人が離れてしまうようでとても不憫。後半は考え込んだ表情が多い。コミュニケーションが得意で人当たりが良いリュウセイ(大西流星)に説得を頼むことも。

船の転覆時に仲間のフウガ(大西風雅)を助けられず、更に助かる目途もたたない漂流生活中に、弱った弟のキョウヘイが幻を追いかけ自ら海へと入り溺死してしまう。無事日本に帰れることになっても、自身はひとり島に残る選択をする。

 

…いや、コウジ不憫すぎますって泣

なので、コウジは何故日本に帰らない決断をしたのか考えてみた。

・弟のキョウヘイの魂を1人にさせないため、亡骸を持ち帰れないから。弟への執着。

これはベタだし劇中はそういう演出で終わります。瞳が暗いことと兄弟2人だけの照明演出から、後追いの隠喩表現にも見えました。

・自分が日本に戻ったとして、この事故の責任を取ることができず、莫大な損害を負うことになる。

 肉親以外も亡くなっており、自身も一時的に行方不明。企画者としてもう立場がないから。この行動の意図には現実逃避も含まれていたのではないかなあ。恐らく事情を知る仲間たちはコウジを責めたりしませんが、我が子の命を危機に晒された親達は黙ってないでしょう。事故に自分の人生や肉親の人生を狂わされるよりは、新天地で全てをリセットして生きる方が幸せなのかも。それを見据えた上での決断。…もしかして、ダイゴの父も同じような経緯で、母と息子に迷惑をかけるくらいならと失踪したのかもしれない。そのあたりまで考察(最早妄想)のできる好演でした。

 

一方ダイゴ、こちらはコウジと比べたら明らかハッピーエンド。出会いと再会、目の前で人の命が何度も散ることはなく、薬草へ手を伸ばした際崖から落ちても死ななかった。主人公補正がすごい。しかし過去を語る場面では苦しい表情をする事もあり、失踪した父を探し気を病む母や、父との思い出がない自分の行き場のない負の感情を語っていました。どこかできっと元気で生きているとは信じているが、帰ってこない悲しさや寂しさは拭えない。これって、エンディング後コウジ・キョウヘイの両親が未来に思うことではないのか。苦しみが繰り返されるのではないか。

 

ダイゴとコウジの対比のほかにも、劇中には誰かの「他」が散りばめられていて面白い。

コウジの弟であるキョウヘイ(高橋恭平)は、島の生活で精神を病み苦しみ疲れて自殺したというより、本人も気づかぬうちに弱り果て幻覚を見て不慮の事故で亡くなったという表現がしっくりくるかなという印象でした。兄ちゃんやるせない。「弟は弱かった」と言いながらも別れを受け入れきれてない兄と、少し前まで隣で歌っていた親友の亡骸を前に「さよなら…」と声を掛けるケント(長尾謙杜)。ああ、死んじゃったんや、親友くんは辛そうではあるものの、もう会えないことはしっかりと受け入れていました。

2017年に高橋恭平くんは「去年はあまり深く考えて演技できていなかった」と暴露していますが、私は2016年の恭平の死に方は綺麗で嫌いじゃないんですよ。良い味出てたよ?(何様)

 

また音楽隊として船に招かれ共に漂流した人達のなかで、マサカド(正門)だけ父が薬草博士という追加設定があり、自身も薬草に詳しい。ということは父との関係も良好であったと思われ、皮肉にも父との思い出があまりないダイゴと共に行動したりします。

 

己の立場、行動、運。2016年夏は様々なこと重なり明暗の別れてしまった2組の兄弟のお話をメインに楽しませていただきました。色々な境遇の少年たちの、一夏の冒険旅行。彼等と一緒に冒険できてよかったです。

 

宝探しは終わらない。

お察しの通り、ショータイムでステージで輝いていた赤と青のシンメトリーに心奪われ今の私がいますが、それはまた別の機会に。

 

無知で観た2016年の夏が大好きだし、関西Jr.名義で作る舞台作品が好き。記憶の薄れぬうちにどうにか覚えていることだけでも書き残しておきたくて、自己満足ですが頑張って書きました。

彼等の作る違う世界と進化を続ける彼等が知られ、評価されることを願っています。