雪降る八月、花束を。

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笑っても良かったグローブ座 〜青木さん家の奥さん2021〜

今更ではありますが!

2021青木さんファミリーが千秋楽まで無事に完走できて本当に良かったです。

【注意事項】

タレント本人や事務所、関係者、製作に関わる全ての皆様とは一切関係がございません。思ったままに綴っておりますので、気をつけてはおりますが誤解を招きかねない表現をする可能性があります。

☆作品感想記事とそれに含まれる考察の類は、すべてフィクション世界への感想と、個人的想像、妄想上での言及になります。実在の全てとは切り離してお楽しみいただけると嬉しいです。

 

舞台『青木さん家の奥さん』2021

東京グローブ座(東京)1/8〜1/24

サンケイホールブリーゼ(大阪)2/17〜2/28

出演 藤原丈一郎(なにわ男子)・長尾謙杜(なにわ男子)・小島健(Aぇ! group)・福本大晴(Aぇ! group)

原作 内藤裕敬

演出 横山裕

ブログ内の表記は一部敬称略とさせていただきます。


【青木さん家の奥さん 備考】

2002年1月8日〜1月22日 全4話+1月29日特別編

をフジテレビ制作のバラエティ番組 『少年タイヤ』セレクトドラマコーナー内で火曜深夜帯に地上波放送された。

有名演劇をタレントが演じるこのコーナーが後続番組『演技者。』となり、演技者。シリーズとして少年タイヤ放送済みのタイトルもDVD化されている。すこしややこしい。

『青木さん家の奥さん』は第1弾であるDVDBOX1に収録。主演:大野智

2002年2月4日〜2月24日 テレビ版で先輩店員を務めた相葉雅紀櫻井翔、小川岳男に代わり、横山裕、松澤一之を迎え舞台として東西の2会場で上演された。大野智河原雅彦はテレビ版と舞台版共通。

2020年冬、かつて同舞台に出演していた横山裕が演出を担当し、関西Jr.主演で東西2会場で上演された。期間は1月22日~2月19日。

昨年版は大橋和也(なにわ男子)、藤原丈一郎(なにわ男子)、末澤誠也(Aぇ! group)、草間リチャード敬太(Aぇ! group)が出演。過去に大野が演じた役にあたる新人バイト役は大橋。酒屋のバイトリーダーのジョーこと藤原は2021年も続投。恒例の回し方や台本の台詞などの骨組みはこちらを流用とのこと。(←雑誌 QLAP! 2021.2 丈くんの発言参考)

 

酒屋の新人バイトは、元野球少年でチームの打点王だった。かつて立った熱気ある打席に思いを馳せながら、指示された通りひたすらにじゃがいもの芽を剥く。単純作業に退屈していると、先輩店員やバイト達が次々とやってくる。聞き耳を立てれば、皆して1枚の配達伝票を探しているよう。イモを剥き疲れ、自分だけ除け者にされた新人バイトは泣き叫ぶ。「青木さん家の奥さんって何なんですか!!」「僕も仲間に入れてくださいよ!!」

配達先で1番の美人と噂の青木さん家の奥さんをめぐる、先輩店員(バイト)と新人バイトのドタバタアドリブコメディ劇。

指定されるのは基本設定のみ、あとは全てアドリブという本作。度々演じられている同タイトルは、ある程度は決まった台詞と展開があり、それぞれ割り振られたアドリブシーンでネタを繰り出す形を取っているようだ。面白く出来るかはキャストにかかっている。

 

テレビ版はアドリブのシーンに「アドリブ」と明示される仕様で、台本…というか、話を進める上で決まった台詞や展開のあるシーンとの境目が分かりやすくて良い。当時も大野くん主演横山くん出演の舞台版の前に、日程的にテレビ版を見て予習してから劇場に観に行けるのは助かったかも知れないです。

 

長尾くんの出演が決まってから演技者。のDVDBOXを即購入したのですが、観劇する上でだいぶ助かりました。とはいえアドリブ箇所が多く展開を把握しても肝心のアドリブはどうくるか読めないので、闇鍋状態。それもまた本作の面白いところで良きです。テレビ版がDVDで残っており、時が経っているにも関わらず正規販売価格で新品が買えたこともまた嬉しかった。ありがとう嵐さん。(出演発表当時)

【私のイチオシ公演レポ】

公演レポートは雑誌

STAGE navi(ステージナビ) Vol.52 2021年1月27日(水)〜発売中

が詳しく書いてくださっていたので、個人的にとてもおすすめです!こんなに私の欲しいところ全部書いてあった記事は他に無かったので感動しました…。

 

【感想とか考察とか】

というわけで、劇中進行や恒例展開について素人がここに残す意味はもう特にないので、我流解釈で一部の描写の考察と目で見たものについて、素人が感想中心に思ったまま書かせていただきます。度々、脱線や内容が重複する箇所があります。長尾くんがかわいい。本当にかわいい。

 

セットは少し年季の入った酒屋の倉庫兼事務所を思わせる作り。ビールケースがやたら高く積みあがった上手、中央に事務机や鉄の棚、下手にすりガラスの窓付きの鉄扉1枚。下手寄りから昇降可能で出入り口がある2階のバルコニー。そしてあちこちにモノボケに使えとばかり小道具が置いてある。実際の酒屋には無さそうなものも。グローブ座のステージは変形、客席潰れなしのストレート使用。

 

試合開始の合図なのか。それとも試合終了の合図なのか。耳に焼きついた甲子園のサイレンの音が、今日も僕の中で鳴っている。

アルバイトとしてネット求人に応募し、『角商店』に雇われた新人のケント(長尾謙杜)。実務の流れや内容の説明もとくにないまま、事務所兼倉庫のような場所で、ジャガイモの芽を削る作業だけを指示されていた。退屈したケントは、せめてジャガイモの芽を今ここで自分達がいつまで取らねばならないかを知りたいと思い、隣で作業しているタイセイ(福本大晴)に聞く。しかしタイセイはケントを放って伝票を探しに出て行ってしまった。

序盤、先輩達とケントが出会う?冒頭の恒例シーンについて。

・ハッピーボーイ タイセイ(福本大晴)

暗転開け、ケントの隣に初めからいる。アメリカンな上下のスーツにハットに『ギャグ製造機』と書かれた襷を掛けた派手な見た目。イモを芽を剥きながらケントとコソコソ話していたり(詳細はここでは伏せる笑)。タイセイが予め持っている小道具が日替わりでした。

取り残されたケントはイモの芽を剥く理由を考える。大将の好物で、大将への誕生日プレゼントではないかとの仮説を立て、誕生日が近いことを期待し、単純作業からの解放を期待するのだが…。

そんな時、別の先輩が事務所にやってきた。

・フランケン コジケン(小島健)

ダメージ加工…というには行き過ぎなつぎはぎのジャケットに頭に刺さったネジ、顔には縫い跡と怪物そのものな見た目の男。後退し腰を抜かすケントを無視し、無言でイモを芽を剥き始める。彼に声を掛けたい、しかし人間の言葉が通じないと予想したケントは、コミュニケーションを取るためにイモを月に見立て狼男に変身する。発想がファンタジーでかわいい。フランケンさんは普通に喋れるが、怒るとンガ!ンガ!と鳴くようです。

人の背の2倍以上に積まれたビールケースを見て、「アレ、どうやって積んだんやろ?」と言ってケントがブレーカーなどを足場に壁登りするシーンがあるのもこの流れ。コジケンには特殊能力があり、物体を浮かせる光を出せる(謎)。ケントはそれを見てやっぱり人間じゃない!と腰を抜かしていた。かわいい。

伝票を探しに飛び出してしまったコジケンと入れ替わりに、また初対面の先輩が現れる。

・バイトリーダー ジョー(藤原丈一郎)

バルコニー扉から登場。黄色の半袖シャツに両膝部分がぱっくり裂けたダメージジーンズに角商店の腰エプロン。余談だがこのジーンズ、元からこの形ではないらしい。何があった。

天から登場した様に驚いたケントの「あなたは、神様…!?」からの掛け合い。この返しの「そう!私が神様!〇〇〜」のジョーの返しは昨年の丈橋コンビの掛け合いの名残りのようで、先輩は懐かしがっている。

「俺はバイトリーダーのジョー」と名乗るジョーにケントが「…?〇〇のジョー?」と聞き返すとジョーがお題に合わせノリツッコミをしてくれる。この掛け合いが2回。

2階バルコニーから1階事務所までは階段ではなく滑り台になっているらしい。滑り降りてくるジョー 「滑り台のほうが階段より単価が安いねん」。これがやたら頭に残っている。過去には怪我人もいるらしいがまさかその膝…。

このコンビといえばなにわ男子結成前の2018年夏の松竹座で偶然見た謎バイトリーダーコントが青木さんなんですね。繋がるとは思わなかった。詳しくは↓の記事の下の方、藤原と長尾を参照。

http://170815snow.hateblo.jp/entry/20180914/1536850801

 

ケントは大将の誕生日を都度出会う先輩達に聞くが日付が一致しないことに気付く。さらに先輩達は『伝票』を必死に探しており、皆ケントを放置し去っていってしまった。ジャガイモは大将とも誕生日プレゼントとも関係ない様子。終わりと目的の見えない作業に気力をなくし落胆するケントだった。先輩方は事務所に戻ってきたが、伝票が無くなったのはお前のせいだと3人は揉めだし、疑い合う犯人探しが始まる。

喧嘩を止めようとしても弾き出され、仲間外れにされたケントは拗ねだす。『伝票』の正体は『青木さん家の配達伝票』。そして青木さん家には、みんなが配達に行きたい理由があった。その理由こそが客先一の美人と噂の『青木さん家の奥さん』なのであった。

僕にも教えてくださいよ!と拗ねるケントに「「「青木さんだよ!青木さん家の奥さんだよ!」」」先輩三人が声を揃えて言うと、暗転し映像が映し出され劇中歌のイントロからOP映像が挟まる。この♪あなたの家にいきたいな (?)という曲がかわいい。映像上のちっちゃいケントがぴょこぴょこしながら「まぜてよ〜」って先輩たちを追いかけながら言っていて更にかわいい。

青木さん家の奥さんのイメージを先輩達がケントに伝え、ケントがそれを元に思いつく人物を一人挙げる日替わりあり。

それはともかく伝票はどこにあるんだ、こいつが怪しい、あの時に奪われたんだと疑い合う先輩達。

「あの時、俺が〇〇していたら□□してるアイツがいて△△、あの時に盗られた」→「確かに俺は□□していたけども〜」と繋げていく型のバトンアドリブ。都度話している人の方を向くケントの愛しさ。

先輩三人は言い合いの末口だけではなく手や物も出る大喧嘩に発展。フランケンが唸り小指から光線を出したり混沌。最中に飛んだ三又の長槍が喧嘩を仲裁しようとしたケントに突き刺さる。ブスリな効果音と真っ赤な照明、響き渡る「「「ケントー!!」」」の声。余談、このシーンはケントこと長尾くんが関西ジャニーズJr.の夏の松竹座で二年連続で劇中死ぬ役を演じていること、カンパニーやファンに馴染みの松竹座での舞台のシーンを彷彿とさせるジョークである。ケントが「避けれてました」とひょいと槍を片手に掲げて見せて、無傷の無事です笑。結構迫真で好きでした。

そのあとは、青木さん家の奥さんについての三者三様なヒントから思い浮かぶ人物名を答えるケント。ここは日替わり。


中盤。「実は、青木さん家の奥さんに1番気に入られてるのは俺なんだ…。」先輩ぶるタイセイがケントに話していると、聞き耳を立てその程度がなんだと食いかかるコジケンとジョー。奥さんと〇〇したから俺が1番気に入られている!を型にを前の人のものに関連付けつつ、更に親密な関係を裏付けるものを続けるアドリブに入ります。 ※タイセイ→コジケン→ジョーで3か4巡くらいする ケントは先輩達のアドリブである奥さんと〇〇エピソードを聞いた後にそうですね!確かに!と同意したり羨ましがる形で話を盛り上げなければならず、ケントが続けられなかったり、同意を得られなければ次の人の番に回らない。皆で笑い過ぎて進行不能になったり、奥さんとの関係アピールが上手くいかず詰まり過ぎた時は流石に半強引に進んで行きました。大体下ネタや際どいレポがあるのはこの掛け合いです。基本はボケ合戦ですが、暴走し過ぎの面々に対しバイトリーダーがとんちが効いた返しで流れをリセットすることに成功すると、客席からは笑いではなく歓声が上がっていました。でも一番下ネタに反応して爆笑していたのもバイトリーダーでした。笑 

このやりとりの後、劇中歌でのダンスを挟み一気にアイドル全開に。赤の大人っぽいワンピースを着たトルソーを奥さんに見立てて決めポーズ。場内の盛り上がりも最高潮に。ミュージカルが好きな大将がご機嫌だと降るという金テープも打ち上がる。そして、散らかった金テープを自分達で回収し片付ける姿がシュール。

話を聞くうち、奥さんに会いたい!青木さん家に配達行きたい!とごねだすケント。伝票が見つからず自身も配達にいけない中、先輩達は仕方なくケントに配達のノウハウを教えることに。ビール瓶10本入りのビールケースを2段を一度に持ち上げられるか試されるケントだったが、小柄ながらに筋力自慢なケントはこなせば配達に行けると気合も乗り難なく持ち上げる。心のうちはケントに配達を諦めさせたいような先輩たち。ビールケースに日本酒2升や米10キロ、フランケンの頭の右側のネジ(?)を乗せて更に負荷をかけて煽る。先程よりは苦しいながらも無事持ち上がるビールケース。

因みに私が見た公演でコジケンが自分の頭から外したネジは全部右でした。コジケンのネジは左右それぞれに1本ずつ。私はこれに意味を感じています。

ここで脱線して触れたいのは右脳と左脳と大人と子供の表現について。右脳は五感や感情からイメージの記憶やひらめきを得意としており、大人になるに従って言語での記憶や物事の論理的組み立てが得意な左脳優位になることが多いとされています。もちろん全ての人がこれに当てはまるわけではないですが。後のシーンと合わせても、コジケンの右ネジは右脳の表現のような…。コジケンが自ら頭から切り離してしまう右脳が意味するのは、ケントに対するメッセージにも取れれば大人が羨む子供の何かなのかも知れない。性は成人、いわゆる大人というものに近づくほど色々な部分から滲むものなので、大人と子供の表現の一つとして感知したので書いておきます。

…話を戻し。

折れない新人に先輩達は顔を合わせてから、大事なお客様である奥さんの元へ送り出すには練習が足りない。付き合うからやってみろ、と言うのであった。


終盤、先輩のうち1人(日替わり)が奥さんの代役となり、青木さん家への配達のシュミレーションがスタート。 初っ端ドアチャイム役の鼻をピンポンし忘れてダメ出しをくらい、奥さんを笑わせるべく一発ギャグをしたり。先輩達の理想や思い通りに動けないと奥さん(の代役の先輩)に度々泣かれてしまう。リトライや無茶振りを受けても食らいつくケント。奥さんが大の漫才好きということで、組み合わせで漫才を披露。レポ恒例の漫才とはここになります。

青木さんの奥さん宅の配達のシュミレーションも無事こなし、配達に向かおうとするケントに先輩達からは他の配達先はどうするのだと指摘する。経営の厳しい小さな酒屋のためお客さんは1人たりとも逃せない。イモのオマケもつけて、売り上げのためには常連のクセのある客の対応や、アルコール中毒の客から受ける暴力にも耐えられるのかと問う。仕事に関して無知で素直なケントをからかって遊んでいたのだった。「それでも仕事がしたいです、配達に行きたいです。」屈辱的な目に遭っても、ケントは再び顔をあげた。

試合開始の合図なのか。それとも試合終了の合図なのか。サイレンの音が、今、僕の中で鳴っている。

(↑こんな台詞はありません。表現するならこんな感じ。開演直後の反復のようなサイレンがなり、今度こそ打ってやると意気込むケントがバットを握ります。)

高校野球でチームの得点王だったケント。事あるごとに過去の美談を語り、去ったマウンドに思いを馳せる。しかしそれがなんだ、今は何だと蔑ろにされる。タイセイピッチャー、バイトリーダーキャッチャー、ボールの軌道をフランケンでバッターボックスを再現するシーンが続く。この時、ボールがわりにフランケンが先程ビールケースに乗せるために頭から外したネジを使うのです。アツい。

過去の自分に重なるここ一番の打席を覆そうと、軌道を読みスイングをした。

…しかし球は有り得ない軌道でキャッチャーミットに落ち(フランケンにそらされ)空振りに終わる。

このように言葉ではお前はやれると応援されてはいるのに、やらされるだけこなしても周りがケントの望む結果を与えてくれないという…意味深なシーンがありました。

ケントは青木さん家の奥さんに興味を持ち、自分のやりたい仕事である配達から学ぼうとします。でもケントが興味があるのは青木さんだけ、自分はひたすら芋の芽を剥くような器ではないと言い切れるくらいの自信家ではある。

気持ちの空振りを見透かされてか、先輩たちに遊ばれてしまうんですかね。学生時代に真っ白から充実した学生生活を送れと言われて貯めた自信が100あれど、働き出して活躍できなかったら100あっても1000あっても0になってしまう悲しさと、あの時ああしていたら、もしかしたらでは覆らない展開が急に生々しい。

自分は無力だと悲しむより、他人にムカつけと言わんばかりのこういういじりは先輩…所謂先人の悪いところでもあり良いところだったとも思っています。時代錯誤な印象は文字で読むほど感じない。逆に今の時代に合わせて少しでも自分の意思を聞いてもらえなかったり、自分の興味があることに対し蚊帳の外になるとパワハラだ!新人ハラスメントだ!訴えてやる!僕に謝れ!土下座しろ!とケントが叫ぶシーンが要所要所あったり現代ならではの表現もありました。これはこれで面倒で、先輩達が頭を抱える有様はリアルですが、コミカルに展開するのと諸々の効果で不快感はありません。コメディであることの救いです。

角商店は個人経営の酒屋で、もちろん酒を連想する場所である。酒に酔うにかけて、奥さんの魅力に酔っている先輩方と繰り返し過去の栄光に酔っている新人バイトということなのかもしれない。子供と大人の境目と人生の難しさ…メタだけど、時期的に舞台を経て高校を卒業した長尾くんへのエールもあったのかな。

それと、わいわい賑やかなアドリブのなかに、酔いが覚めた後のようなシラけ方をする瞬間がある。これは台本にある定例シーンで、ケントの打席再現のすぐ後にも言えます。

とかく浮世は色と酒、酒極まって乱となる…作中舞台の角商店が酒屋である意味がこの辺にありそうです。酒絡みのことわざは、調べると人間味溢れていて面白いんです。分かりやすく苦労した・させられた側は悪いモノとして描き、酒を愛した人の口から出たであろう言葉は周囲に飲酒を煽ったり酒飲みの自分を肯定する意が分かりやすく滲んでいて。ことわざすき。

打席シーン後先輩達に「ずっこ!!!」って怒るケントが可愛くて可愛くて…ズル!やズルいじゃなくてずっこ。関西弁かわいいー!!

 

エンディング。先輩達にはからかわれ、結局伝票も見つからないため誰も青木さん家に配達に行けない。お前はイモでも剥いておけといわれ、不貞腐れつつ再びジャガイモの芽剥きをさせられるケント。不意にケントがジャガイモの入った段ボールに添えられた大将の書き置きを読み上げる。『イモの芽を剥け!』その裏紙にされていたのは…青木さん家の伝票なのだった。

灯台下暗し。実は最初から直ぐ近くにあった青木さん家の伝票。大事な伝票を裏紙にする大将も大将です。まあそれは置いといて、伝票の裏に書かれたイモの芽についてと、劇中で唯一伝票そのものを手に取ったのはケントだったことが重要なのではと思いました。ジャガイモの芽剥きが表すモノについては思いついたことがあるので、少し先で書いています。

ビギナーズラックか。積極的に学びの姿勢を見せたケントへの天からのご褒美か。未来への希望か。努力で勝ち取ったわけでもないが、最後に青木さん家の配達伝票を手にしているのは紛れもなくケントでしたとさ。おしまい。

 

社会はずっこい。そんなずっこい社会を生き抜くのに娯楽に非常にお世話になっております。『お客さんを楽しませたい!笑って欲しい!』という演者の気持ちを受け取れて、本当に楽しかったです。会場に足を運びこの目で推しを見る時間が大好きだったことを思い出して感極まりました。私もアイドル達も、ちゃんと今、生きてた!生きてるんだよ!

丈くんが「新大久保まで真っ直ぐ帰りや!」と繰り返し言ってくれて。言われた通り真っ直ぐ帰って帰宅したら即シャワー浴びたよ丈くん!

あと、1/9昼公演でカテコ捌ける際出遅れてお兄ちゃん達に扉を中から閉められてしまう長尾くん。開けようとするも開かず断念、一瞬迷って(この間がかわいい)だいすきー!と両手でおっきく投げチュー!!それを、背景の扉のすりガラス越しに見守るお兄ちゃんたち可愛くて…!!丈くんの黄色T目立つ笑 あの瞬間は世界一愛しい画。目に焼き付けた、絶対忘れない。

個人的な見解ですが担当効果(?)とチーム青木さんの仲の良さが、作中表現を柔らかくしてくれたと強く感じました。正直予習でDVDで見た時点では新人バイトがお前はダメだと言われ続けるシーンが続くとそれなりに視聴がしんどかったので、この言葉が自担に降りかかると思うと、私は少し観るのが怖くなってしまいまして。

内容についての不安は自担である長尾くんのおかげで大丈夫でした。可愛らしいイメージと繊細な表現を生かす役が多く、衣装やキャラクターに合わせて縮こまりがちだった持ち前の肩幅と雄々しさが生かされる衣装と役をもらえて新鮮でした。頼もしかった。

どうしても文字にすると実際に見た印象より立場の弱い描写が目立ってしまう役どころですが、先輩方に何度も無茶振りを仕掛け、果敢に話題に割り込んでいく良い仕事をしていました。駄々を捏ねても拗ねても憎みきれない天性の愛嬌よ。雑誌やブログでも初めてのことで不安と語りながらも、幕が上がれば毎日超楽しそうで微笑ましかったです。

長尾くん中心ではありますが応援する過程で頭に入っている関係性と、さらに出演決定から公演期間中の4人の仲良しアピールの効果もあり(これに関してファンサイドが言及するのは失礼かもです笑)無駄な心配や苦痛なく見届けられました。3人のお兄ちゃん達、大暴れの末っ子を可愛がってくれて本当にありがとう。

キャスト本人達の信頼関係とキャストが大好きなファンの集まる空間が作品を生かしている、そんな現場に再び立ち会えて良かった。

ここに関連づけて触れたいのは作中最初と最後に登場する野菜であるジャガイモについてです。

ジャガイモ自体に毒はなく、食べられて種が尽きないように発芽した芽や日に当たった表皮に毒を持つと言います。皆さんも芽や緑色に変わった箇所は取り除いて食べましょう。

…これが表すのは身を守るべく生まれる毒気とそれを頂くための方法というか。まずはジャガイモの芽には毒がある。これは自分の身を守るために頭に入れて損なしです。でも毒を生む芽をはじめから綺麗に取ってから、客先に配る。上手く表せてませんが、実はこれが作品の言いたい事の一つなのではないかなと思いました。

いらぬ心配ばかりする外野の私がジャガイモの芽なんだと言いたいわけではなくて(実際そうかもしれないけど)、角商店の面々はジャガイモの芽こと有毒なあれそれを綺麗に剥いて、美味しいお酒こと娯楽と一緒に楽しめるようにお客さんに…観客の私に喜劇としてプレゼントしたかったのではないかなと。

そういえば、ドラマメンズ校序盤でもジャガイモが出てきましたねぇ…何かとご縁があるジャガイモ…。

 

移動や人混みへの恐怖心だったり、欠員や中止の心配のドキドキじゃなくて、幕が開く前の心躍るドキドキだけを体験できる日々が早くやってくるといいな。映像化や配信有無を問わず、今この時生きる演者を自分の目で目で見に行く機会。時間と空間を共にする尊い文化よ廃れないで。

 

考察感想やまとめを公開する過程で、誰かが観た演劇や、完成形である作品自体の良さを、私の考え方や言葉で置き換えたり殺してしまうことを一番恐れています。表現は刃物です。自分を守ったり何かと『競い合い』に勝つ武器にもなれど、扱いを間違えれば他人も自分も傷付けます。わがままなのは承知で度重ねのお願いですが、当ブログはファンブログです。用法をお守りください。

 

この作品に関しては、時代が時代なので地上波で流したり詳細を文字として形に残すと意図せぬ方面に見つかりそうでキツいかな…と躊躇する部分はあるのでネタの詳細等は自分の中にしまっておくことにしました。

カンパニーも楽しそうでパワーがあった。舞台上から有観客ならではの生々しい気合いが伝わってくるようで。そして無事終わった後のここだけの話ですが、グローブ座では上演中の「笑い声」を規制する事前アナウンス(例えば、歓声は控えて拍手をする等の指示)は無かったと記憶しています。客席での会話については控えるようにアナウンスがあったため、開演前や終演後に以前のような歓声やざわつきはなく少し寂しさはありながら。幸い上演中の反応は許されていました。これはちゃんと書き残しておきたい。

久々の有観客現場。リアルタイムのお客さんの反応や表情を楽しむキャストと、待ち焦がれたファンとの関係はまさにWIN-WINと感じました。アナウンスはないにしろ世間の空気的に笑いを堪えたほうが良いとは思いましたが、無理矢理笑わされる。笑ってはいけないグローブ座なら早々にOUTです。本気の睨めっこに負けた気分。悔しい、ああ楽しかった。

東京千秋楽なんてキャストみんなしてテンション上がりすぎでは。笑ってしまう私も私ですが、お陰でたくさん笑わせてもらいました。無邪気な笑顔に触れて懐かしい気持ちになる。下ネタレベルが小学生男子なアイドルを堪能出来るのもあの空間だけ。かわいいもんですよね。

 

長尾くんはできる子。

有客ライブが一年以上できなかった中、少しでも生の歌声を届けようとしてくれたのか、長尾くんはCMソングの替え歌など新規の歌ネタ仕込んで来てくれたことが最高でした。都合の良い解釈と言われてもめげない。それくらい自担が愛しくて堪りません。

ダンスパフォーマンス中に脱げてしまった靴をバットの代わりにし構えてスイングする動作がスムーズ過ぎて、そういう振り付けかと…。ハプニングも難なくクリアする仕事人。

見てわかる通り私は長尾くんの演技が大好きなので、意外にも演技パートが多かったのも嬉しかったです。

今回の作品でアドリブを重ね、度胸がついたと自ら語る彼の今後の活躍が楽しみ…!

 

あと…青木さんのバイトリーダー、丈くんのことすごいかわいいなって思いましたね…これが噂の沼か…。

 

過去を手元に置き、いつでも何回でもDVDプレーヤーで見られる安心感。それとは真逆の一度きり、今その時だけ、劇場にて自分の目でしか見られない特別感。

台本にある展開と、台本にない即興展開。

偶像でありながら実在するアイドルのフィクションとノンフィクション。

比べようが無い二つの良さを、次の世代に伝承する舞台。「青木さん家の奥さん」お酒もおイモもとても美味しかったです、ありがとうございました。

優柔不断で欲張りな消費者だから、何がどれより優れているとかじゃなくて、持てるものが許す限り全部頂戴したいのだ。それは叶わずいつも取捨選択は生まれる。幾度もうまくいかなくても、根の気持ちは変わらない。

本当にこの機会に長尾くんキャスティングしてくれてありがとう横山さん!泣

そしてやっぱりステージが、現場が大好きでした!!

言葉に残すのも毎回難しいけど楽しいです。またいつか。

この度は読みづらい記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。

引き続き関西Jr.全体やなにわ男子、長尾謙杜くんを一緒に応援できれば幸いです。

 

…最後に少しだけタイムリーな宣伝!

関西Jr.が2020年始に京セラドームで行ったコンサートがこの度なんとDVD化します。2021/4/18 23:00までの超短期間受注生産のためまだの方はお買い逃しのないよう…!

少しでも気になる方は公式サイトのピコピコと粗めのドットギミックが可愛いのでリンク先を覗いて気に入れば遊んでみてください。DVD収録公演ダイジェスト動画もあります。

https://kansai-island-2020.com

 

テレビ朝日系でなにわ男子の新レギュラー番組も始まります!(放送開始日時は地域ごとに異なりますのでご確認ください)

https://www.tv-asahi.co.jp/mada_update/#/