雪降る八月、花束を。

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HOMESTAY -白と、色々-

こちらはAmazon Prime Video 独占配信中の映画作品 HOMESTAY (ホームステイ)の感想記事です。

作品リンク↓

https://watch.amazon.co.jp/detail?gti=amzn1.dv.gti.d8e2d135-b50a-47fb-9885-bd2fd19d14cf&territory=JP&ref_=share_ios_movie&r=web

 

☆注意事項

公式制作元とは一切無関係の一個人の主観なので、異論や文句はお断り。本作を私が楽しむため以外の意図は御座いません。

実在の全てと切り離してお楽しみいただけますと幸いです。

なんらかの形でこのブログを見てしまっている方へ。私はなにわ男子の長尾謙杜くんを贔屓にしている素人です。その点ご理解頂いた上で読んでいただけると助かります。

 

生前の自分の名前も記憶も失った大罪人の魂、シロが主人公。大罪を犯した罰として、シロは一度死んだ男子高校生である小林真の身体に100日間ホームステイをし、その間に彼の死の原因を突き止めるよう命じられる。周りに正体がバレることなく成功すれば魂は転生の権利を得られる。逆に真ではないことがバレたり、時間切れで失敗すればシロの魂は永遠に消滅するという。小林真として目覚めたシロは周囲の状況を探り始めるのだが…。

 

★+13 暴力・暴言表記あり

作中ショッキングな描写は所々ありますので、学校や集団、家庭問題に対してトラウマや苦手意識が強い状態での試聴は私的にはおすすめしません。フィクションの中の人の心や命より、あなたの普段の生活の方が大事です。幸いこの作品は逃げないので、元気な時に見てくださいね。(2022/4現時点で配信終了予定なし)

 

原作小説と比較すると、主人公のシロの魂がホームステイする小林真の家庭環境は現代的で裕福なものになっています。シロの憑依により100日だけ生き返れた小林真、それを取り巻く人々を一から調べ上げるシロ。シロと共に真の死の理由を探しながら、ヒトの心の危うさと命を解く1本完結映画です。

 

この先は視聴後に読むことをおすすめします。せっかくなので先入観なく見てほしいのです。途中でやめても大丈夫だし、何を思っても大丈夫。手軽に見られる作品としてリリースして下さってありがとうございました!大きなスクリーンやモニターを借りて友達と語りながら観るも良し、自室や布団の中でこっそり堪能するのもおすすめです。

 

主演の長尾くんは自分はシロに近く、スムーズに感情移入できた、と複数の雑誌のインタビューに答えていました。書いている私はポスタービジュアルの暗い顔をした少年、真に感情移入して観ました。

 

この作品は開始早々、あらすじから既に『死後マジック』がかかっています。これは死後のお話だからなんでもありだよ!という掲示。この作品を楽しめる我々は死んだことがありませんので、死んだ後の魂の行方がどうなるか分からないのです。最近は何かとフィクションとリアルが絡めて問題にされがちなので、切り離すのは良案かなと思います。

生死をテーマにした作品は何百回何千回と描かれているもの。人によっては結末が読めてしまうものではありますが、映像美と長尾くんの表現力が光って飽きさせませんでした。

ただ、学校でいじめ未満とされがちな孤立状態、登場人物が感情的になった際の台詞や空気に生々しさがあるので先に書いたように辛い思いをしている時や本当に気分が落ち込んでる時には気が進まない部分はあり…文字で伝えきれないことは映像と音が各々の感覚に訴えかけて伝えてくれると信じているので、とりあえず見ての体の感想記事ですみません。

作中には案外『直接的な人的思考の強制がない』作りだったため、キャッチコピーや人のレビューをみてなんとなく避けているだけなら百聞は一見にしかずで、あなたの感覚のまま見て欲しいなあと思っています。本作はハッピーエンドです。

 

・シロについて

真っ白になった画面に手書きのタイトルが表示されるのは04:20〜。シロはカタカナ表記です。色としての「白」かもしれないし、代わり入る魂の「代」かもしれない。タイトルバックの色と真っ白な魂をシロと呼ぶとのことなので色説濃厚とし考えて見進めていきました。

 

・金魚と水槽

水槽と魚は私自身も大好きなモチーフです。見てる世界はガラス越し、水陸お互いに交わらない世界で生きています。こちらは真が思いを寄せていてシロも好意がある美咲先輩とのシーンで使われます。金魚の真似をして向かい合って見つめ合う2人のじれったさが良いです。金魚は観賞用に生み出された人工種でもあります。画が美しいだけじゃない、終盤のことも考えたらかなり皮肉の効いた諷喩(ふうゆ)です。

 

・雨と打ち上げ花火

雨で濡れた町って街明かりが反射して綺麗で視覚的には嫌いじゃないですけど、生命としては濡れたままでは体温が下がり体力が奪われる辛い天気なので気分は落ち込みがちです。人には一番は本作中で重要なのは冒頭の冒頭のシロが目覚める前の声のみのシーンや、ヒロインの1人である幼馴染の晶ちゃんとの場面で度々登場する花火と関連していきます。雨天では打ち上げ花火は出来ません。また、見える立地にさえいれば無料で見ることができるとされる花火大会は沢山の人と時間とお金がかかっています。…これも色々な解釈ができる諷喩だと思います。何のかは、あえて書かないでおきます。

 

★!!以下、重要なネタバレあり!!★

・シロと真と管理人について

シロをシロにしたのは真自身という考え方と、シロを作ったのは自殺した後の周囲の人間という見方がどちらもできるのも良かった。管理人さんも真…なのかなと個人的には思います。…一度死んだ設定とは矛盾してしまいますがね。

辛い出来事を繰り返さない為に、忘れたままでいるべく隠したのがシロとその周りの人達。自分の生きた証と苦痛を思い出した上で生きて欲しかったのが管理人…真くんの本心。そう考えたら普通に見るだけでは一見浮いていたようにも見えた『死にたいは生きたいの叫びなんだ』のキャッチコピーが途端にしっくり来ました。

 

あとは私の願いと感想の総括です。結局ここが記事のメインになってしまいました。

何故このような自分語りを進めるかいうと、人のモノの感じ方や考え方や境遇は各々違うから。人間が二人同じタイミングで同じものを見ても、共感や感動を全く同じ気持ちで迎えているはずがない、という前提を伝えるにはある程度の自己紹介は必要かなと考えているからです。皆そうかは置いておいて、私個人は共感同意肯定が欲しくて表現をしていません。主張や考え方が違うからこそ、感想を言い合えるのが楽しいのかなあと思っています。

私は自ら死のうとしたことはないです。が、死にたくない、何がなんでも生きていたいかと問われたら今現在も「はい」が言えない人間です。嫌なことや自分の望みが叶わないことがあってもなにくそ!と奮起する力がほとんど出ません。いや、出ても所謂人並みに届かないといいますか。

辛くて死にたいというより、生まれた事実ごと根こそぎ消滅したい。生まれた時点で叶わない願いとは理解していますが、こちらが正しい表現と思います。

この作品はもちろんですが、それらを考えもしない人と常に頭を悩ませている人では物事の見方が大きく異なります。この件は、他人事で見ぬふりをするのも自分ゴトで取り込んで更に追い込むこともどちらも私は望んでいません。私はいつだって自分のために、楽しむために悩んでいます。でも。

せめてこの体と心のどちらかが、別のものに変えられたら少しだけ楽になる気がする。見失ってしまった大事なものが見つかる気がする。見た目や環境を変えるとかではなく、一時的に私を辞めてみたい。他人の目が欲しい。他人の心が欲しい。…正直時々自分でいるのが、苦しいときがある。

HOMESTAYは、そんな私の夢のようなお話に近いのかもしれません。自分や知人に関する記憶が消えて再び世界が開けたら、見える景色の色が様々に鮮やかに光る。美しき世界だとか、あなたや私が好きな色かどうかは関係なく、そこには真新しく見える色があるのです。本当はずっとそこにあって、ありきたりだった景色に感動できる。反面、今度は先人はどう感じていたんだろう、これは忘れて欲しくなかったと思う色が現れるんでしょうか。私もシロのように笑って泣いて期待して絶望して怒るのかな。周りと一度命を手放した先代の自分に。この体を、心を、見てきた世界を返してあげたいと思うのだろうか。

うまく万人に伝わる例えが思いつかないのですが、ステンドグラスやカラーセロファン、暗記用の下敷や定規の後ろにある紙が白である時と黒である時を想像してください。そのものの色は変わらないのに、白の方が明るくなり、重ねた色彩を鮮やかにします。この作品の正体はこれです。各々の気持ちのステンドグラスをしまいこまないで、白に、光に照らしてみて。混色を間違えたり同じ黒だと思ってたところにも色の差があって、違う見方ができない?…という諭し。

家族の話や登場人物について細かく触れようと思ったんですが、少々社会派考察疲れをしていまして泣 例え話で纏めたかったのと、今後のペースキープの為に控えました。すみません。

人によって好きな色や色覚は違います。私には世界は眩し過ぎて輝度明度を落としてみてしまうこともあるかもしれない。でも結果的に出来上がった絵を好きといってくれる方が一人でもいるなら。なにより『私が』悔いのない人生を…ホームステイをこれから出来たらなあと思えたのでこんな記事が書き上がりました。今の私が、今に悔いを残さない文章にはなったかなと思っています。今書ける精一杯です。

一生が美しく見えている人には美しいまま、そうでない人にはスケールの大きな美談を無理には押し付けない。いい意味でどうとでもとれる隠喩と諷喩のタイトル。作中では様々な問題がありますが、全部が全部好転したわけではありません。美咲先輩の今後は描かれませんし、幸せになれたのかは分かりません。でも、最後に清々しい顔はしています。それだけです。生き返った真くんにより変化した未来で、記憶がないシロが取り巻く人々と自分の現実と感情に触れたことで、真くんは一度見失った自分を見つけることが出来てめでたしです。自分の人生の主人公は自分。

 

この作品への出演を経た後の長尾くんのラジオ(2022/3末までグループでラジオパーソナリティをつとめたANNPのどれか、余裕が出来て調べられたら追記)での他人に向ける気持ちを聞いた時に、長尾くんは本当に真くんの友達になってくれたんだなあと思ったのも覚えています。内気な自分を許してもらえたようで嬉しかったんです。

時間が経ってしまい入手が難しいものもありますが、雑誌にも長尾くんが主演を経て感じたものや撮影中のお話が掲載されています。こちらも合わせて読むと良いです!

主演のファンとしては度重ねですが画の美しさだけでも一見の価値あり。長尾くんの得意な感情投影が抜群に生きるシロと真の演じ分けも素晴らしいので是非。

広い視野と柔軟な感性を身に付けた若い世代が担う、表現の今後が本当に楽しみです。気持ちだけでも置いていかれないように頑張らなければ!!

待ちに待った長尾くんの初主演作品に日本初、世界同時配信の凄い肩書きまでついてきて最高でした。日本語の言葉も喩えも美しくてやはりここが大好きだなとも再認識。この度は、素敵な作品を拝見する機会を頂きありがとうございました。

 

聴くと元気がでて、答えが見つかるかも?な、なにわ男子の2ndシングルも2022/4/27〜発売中となります。堂々宣伝。

https://www.j-storm.co.jp/s/js/discography/JACA-5968?ima=0000

今後とも長尾謙杜くん、なにわ男子を何卒宜しくお願い致します。

当ブログでは長尾くんの過去の出演作中心に一個人が趣味で書いた記事を公開しています。

また一緒に楽しめましたら幸いです。