雪降る八月、花束を。

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【本編内容覚書】少年たち 青春の光に…

今回は前回の考察記事に書ききれなかった舞台本編の話の流れを個人的にまとめました。

 

前回の考察と感想記事はこちら。

http://170815snow.hateblo.jp/entry/20191023/1571778600

 

大まかなストーリーを自分の記憶テストも兼ねて説明しようと試みており実質新訳です。台詞の引用は極力控えて淡々と書いています。雰囲気が伝われば嬉しいですが、どう頑張っても色々際どいので引っ込めるかもです。

…やっぱりね、各シーンの良さは観なきゃわからん!本末転倒!みられるようにしていただきたい!もっと沢山の方に、ちゃんと本編を見てもらうべきだ。

 

※切り替えの多い箇所などは字面の読みやすさ重視し一部文言や順序を入れ替えている部分があります。もちろん実際の演目とは異なります。個人の記憶のため抜け漏れ間違いがあるかもしれません。書いているのは素人です。雰囲気で読んでください。

 

【1幕】

少年刑務所。ここではそれぞれに事情を抱えた少年たちが更生のために看守の厳しい監視の中、時間で管理された規則的な日々を送る。

ある日の就労後の自由時間。看守の目を盗んだ囚人同士の鬱憤の晴らし合いが始まった。赤房と青房は仲が悪く、気の合わない赤房の桜木郷と相村潤平を筆頭に抗争が起きる。騒ぎが大きくなるにつれ看守に見つかり制圧される。毎度のことのようだ。仲の悪い2組はもめては刑期を伸ばす、足の引っ張り合いを繰り返していた。看守長の一声で、騒動のその場にいた赤房と青房の8人全員が罰として雑居房一部屋にまとめて収容されることになる。そのうちの桜木は看守に抵抗した罰で懲罰房に監禁されることに。狭い雑居房に不仲の赤青が一緒はまずいのではと看守が意見するも、罪を犯した囚人同士なぞむしろ潰し合えばいいと看守長は言い捨てる。

そしてただでさえ窮屈な雑居房に新たに2人の囚人が。赤に柿本拓未、青に大田原君麻呂がやってきた。拓未は歓迎されない空気などものともせず笑顔で名乗りし半強引に握手を交わしていく。これから収容される囚人とは思えないニコニコはきはきとした少年。一方、いいとこ育ちで世間知らずの君麻呂はこんな汚いところで暮らせない!トイレは行きたいけどむき出しのトイレでなんて用を足せない!と文句を叫ぶ。桜木も懲罰房から戻る。すでに窮屈で騒がしい雑居房に苛立った桜木の機嫌はさらに悪くなり、挨拶する新入り2人を邪魔だと突っぱね、犬猿の仲の潤平に食いかかる。2人が中心に発生した掴み合いを少し眺めた拓未は、弱いなあと煽った。挑発に乗るように桜木が睨み、拓未に殴りかかる…が見切られ全て受け止められてしまう。ボクシング経験者で喧嘩の腕は確かの桜木を翻弄する拓未を見て、雑居房の面々は能天気な拓未の喧嘩の腕前を早々に知ることになった。拓未は一番強いヤツは辛い時でも笑えるヤツやで!と笑ってみせた。新入りのペースにあっけにとられる中、発想力豊かな戸隠啓司が初めに同調する。2人の笑い声の少し後に部屋の一角から少し無理矢理な笑い声が沸いた。声の主は大村祐二。内気気味の模範生。一年前の事件から声をだして笑えていなかったという彼が笑うと周りの空気が変わった。拓未は祐二を気にかけるようになる。また、そこには10人の他に、祐二の様子を心配していた青房の囚人がもう1人いた…ようだった。

ある日の掃除当番、拓未は、あまりにこの場が似つかわしくない祐二に、ここに来た経緯を聞く。祐二は父からDVを受けて育つ。バイトをしていたが、強く出られない性格につけ込まれ度々バイト先でもいじめとカツアゲにあっていた。母の日に花を送ろうとするも花束代まで盗られたある日、母をバカにされた怒りも重なり我を忘れ厨房のナイフを手に取り3人ほど刺したと声を震わせ呼吸を乱しながら語る。それを聞いた拓未は祐二にやっぱり優しいヤツやなと言った。祐二は拓未に変わったヤツ、と返す。鐘が鳴り当番の時間が終わる。拓未は足の重くなった祐二を突き飛ばすようにしながら無理やり連れ帰った。

同じ頃看守にも新顔が。村田宗次郎が加わる。かつて同じ小学校の同級生だった祐二を覚えており、ある日の行進中に名指しし呼び出す。祐二も初めは気付かずに看守に呼び出された事に怯えて俯いていたが、徐々に幼い記憶を思い出した。もしかして、ムラッチ?思い出し再会を喜んだ。しかし村田がこれからも仲良くしたい意思を伝えるのとは対照的に、祐二は警察の村田と前科持ちの自分は非釣り合いで以前のようには仲良くできない、もう俺に関わらないでくれ!と拒絶する。

ある日の食堂。配膳の列の順番を抜かした囚人に文句をつける拓未。村田が叱ろうとするが他の看守は見て見ぬ振りをしており、順番抜かしをした囚人…山森冬樹たちはそんな村田を笑った。彼らは家族や身元人が看守長へわいろを渡し、優遇されている囚人たちだという。その話を聞き逃さなかった君麻呂は、自分も父が市会議員でお金持ちなので優遇を受けたいと看守長に直接申し出る。が、既に看守長直々に集金に行ったところ、犯罪をおこす息子はしばらく世に出さないでくれと断られてしまったのだとからかうように返答される。頼りにしていた父に見捨てられた事に気付き、山森達に無様だと笑われた、他の囚人からも憐れみの視線が来る。次の瞬間、君麻呂は食事の並ぶテーブルを襲い食器をひっくり返して回り、ひとしきり暴れた後に膝から崩れ声を上げて泣きじゃくった。拓未は君麻呂を抱きしめてなだめた後、山森たちを睨む。親がいなかったりお金で苦しんできた雑居房の面々も同じく、君麻呂をからかう山森たちを睨んだ。喧嘩の気配に波多野六郎が、啜り泣いて動かない君麻呂を抱えて退避させる。潤平と桜木も前に。拓未が山森を殴ると騒ぎを聞きつけた看守がやってきた。煽った山森たちは見逃され、目をつけられている潤平、桜木と、現行犯の拓未が取り押さえられる。潤平は懲罰房から帰ってきたばかりの桜木を殴って逃し、拓未は看守にさらに一発食らわす。罰として独房行きが確定した2人の背中を涙の残る瞳のまま見送る君麻呂。この日君麻呂は、お金の関係も血の繋がりもない自分を庇って罰を受ける他人と、その行いを賞賛し、見返りを求めることなく応援する仲間を初めて見たのかもしれない。

夜の独房。壁一つ挟み、拓未と潤平は互いになぜここにきたのかを話した。曲がった事が許せず、街の悪党を退治していたらやり過ぎてしまった拓未。弟との2人暮らしで家計のために博打して捕まった潤平。そして拓未は赤と青が何故、仲が悪くなったのかを潤平から聞き出す。それには祐二と、以前ここにいた森下トオルという囚人が関係していた。

祐二が久々に笑った様子を見守っていた囚人は亡きトオルだった。トオルは囚人たちのリーダーのような存在で、皆に慕われていたと言う。潤平は続けて語る。

一年前のある日、祐二は知らず立ち入り禁止の場所で花を見ており、看守長に尋問されることとなった。トオルは脱獄を疑われた祐二を助けるように割り入る。祐二は脱獄するつもりはない、自分が母への手紙に花を添えてはどうかと提案し、その場所に案内したのだと名乗り出たトオル。看守長は内容が事実であるかより、トオルが祐二を庇う事に憤慨し、祐二を追い出し、見せしめのようにトオル体罰の末撲殺した。

何か一つでも違えばこうはならなかった、みんな怒りのやり場がなかった。祐二は悪くないのは分かっているが、その頃から赤房と青房が揉め出したと。

拓未の入れられた独房は偶然にもその日に祐二が幽閉されていた部屋で、壁には祐二の思いが彫られていた。拓未はその詩を読み上げる。拓未は話の最中祐二は悪くないと訴え掛けたが、それは潤平も理解していて。正直に気持ちまで話してくれた潤平をそれ以上責めず、話を変える。普通に暮らす人達と、俺らは何が違うんだろうと。寒い夜だった。

ある日の作業後の雑居房。疲れたとぼやきつつ、会話を楽しむ囚人たち。祐二は今日の作業で見つけた大きいナットを、鈴村幸作にあげた。幸作の喜び方を見て、拓未はなんでガラクタを集めているのか問いかけた。鉄やネジを拾い、加工品を作るのが得意でそれを売ってお金持ちになりたいのだと幸作は語る。祐二はそんな幸作を褒めた。その流れから、拓未は皆に将来の夢を聞く。ここで、囚人の自分らがする話か?と少し気まずくなるが、啓司が海賊王!と発言したのを皮切りに皆が夢や出所後にやりたい事を語り出す。祐二は迷惑をかけた母に親孝行ができれば、そして出所後に皆で集まりたいと言った。皆もそれに賛同する。集合場所はこの刑務所を見渡せる丘の上、幹事の祐二は、そこで眠っているトオルに赤と青の仲直りと全員が無事出所できたところを見せられれば、と願った。他の面々も異論なく祐二はこの日から同窓会の幹事と、雑居房のリーダーになる。そこへ黒い影。賑やかな雑居房に気のたった看守長は直々に押し入り次々囚人を警棒で叩きたおす。最中に村田が止めに入ると、看守長は帰っていった。祐二は村田をうっかりムラッチと呼び、皆に知り合いであることがバレる。仲間にいじられ二人は照れ臭そうに笑った。

場所変わり。潤平の弟、相村サトシが兄からの手紙を開ける。潤平は弟にアメリカに留学していると嘘を伝えていた。クラスメイトや周りの子供は潤平が刑務所にいることを噂で知っているようで、嘘ではないのかと言ったり軽蔑するようなことを言うが、サトシは潤平に本当のことを問うことはなく、兄を信じて返信する。

雑居房ではもうすぐ刑期を終える潤平の出所祝いパーティーがささやかに行われた。

しかし直後の抜き打ち身体検査で、潤平のポケットからタバコが見つかる。心当たりがないと反論する潤平が連れていかれそうになった時、祐二が自分のタバコであると遮る。もちろん嘘なのだが、祐二は出所間際の潤平を守るため、身代わりに自白し、連れていかれることに。

拘束されて体罰を受け続けても、祐二はタバコは自分のものであると言い続ける。雑居房が懲罰房から戻らない祐二を心配し、自分の昼食からくすねたパンやおかずをこっそり差し入れにきたり、村田がなんとか助けようとする声を背中で聞き、自分は雑居房のリーダーだからと自分を鼓舞する祐二。拷問の末、看守長に絞殺される。最期まで祐二は笑っていた。

翌朝の朝礼で、看守長は囚人に訃報を伝える。事実は全て隠蔽され、祐二は懲罰中に脱獄を図り、止むを得ず射殺された、という事になっていた。説明に不信感を感じたのは雑居房の面々だけではなく、高待遇を受けていた山森たちも同じであった。祐二と共に過ごした囚人9人は、悲しみ、恨み、やりきれなさ、後悔を抱えて、ひたすらに駆けた。立ち止まるとダメになってしまいそうだった。そして、雑居房に戻り悲しみをうたった。

【2幕】

やるせない囚人達は、二度までもと、あんまりだと嘆き、仲間を失った悲しみと看守長への恨みが募る。鈴村幸作が祐二のベッドの下から祐二が書いた母への手紙を見つける。最愛の母に、気弱な自分がリーダーになれたことを嬉しそうに報告し、もうすぐ出られるから待っていて欲しい、と言った内容だった。悔やむ空気が濃くなる頃、ずっと俯いて固まっていた飛田カケルが潤平のタバコは自分が仕込んだんだと口を破る。怒りにあわや暴行騒ぎとなる間際、幸作が割り入ってカケルを庇った。ここでの喧嘩や仲間割れは祐二が望まないだろうと。拳を下ろし肩を落とす囚人達に、拓未は看守長への復讐も兼ねた脱獄を提案。刑期を伸ばしたとしても、仲間のために。待たせている弟へ心から謝り、潤平も参加を申し出る。雑居房は全員賛同する。村田が自身も傷心しながら下手を起こすなと説得しようとするが、囚人達の気は治らず失敗した。脱獄成功に向け、潤平が取り仕切るなか役割を決め、来る日に向け緻密な計画を立てていく。

潤平の帰りを待つ弟のサトシは、噂を立てた周りの友人をも味方につけ、もう少しかかるとの兄からの連絡にもしょげず再会を信じて健気に待ち続けていた。

仕込みも終わり、脱獄当日。見回りに来た看守を紐で縛り囚人達は雑居房から逃げ出す。勿論看守長は激怒し、看守は血眼で追いかけてくる。途中で山森達に出会うと、山森達も脱獄に協力してくれるという。二手に分かれ再開を誓う囚人達だったが、片方では看守を食い止めるために桜木が立ち止まり、もう片方では武器の調達をすると言って盗みの得意な六郎と、六郎が心配で追いかける落合健太が離れて行った。

桜木は複数の看守を武器もなく素手で同時に相手にし善戦するも、数に負け、みんな逃げ切れよ!の言葉を最後に看守に後ろ手に拘束され、連れて行かれてしまう。彼の最後の言葉じりは自身の役目をやり遂げた気持ちと、仲間への思いに溢れていた。

六郎は看守から銃を盗むことに成功したがその直後、応援に来た別の看守に発砲され足を負傷してしまう。看守長は脱獄囚に対しての銃の使用を許可し、逃すな、殺しても構わないと命令していた。負傷した六郎を担ぎ上げ逃げる健太。追いかける看守を発砲して脅しながら懸命に逃げる二人。しかし逃げた先で看守に囲まれてしまう。六郎の盗んだ銃は弾を切らし、健太までも撃たれ逃げ道は絶たれた。六郎と健太は、銃を構え取り囲む看守達の前、身を寄せ立ち上がり肩を組む。また生まれ変わってもコンビでいよう。来世はもう少しマシな場所で出会えるとええな。そう誓い合い、勇気と力を振り絞り叫ぶ。正面の脅威に全力で向かっていく絆を複数の銃声が迎えた。

逃げる最中雑居房は9人から6人になってしまった。分かれた二組がようやく合流出来た直後、カケルが降参したいと言い出す。弱音を吐き、わざと看守を呼びよせる姿に、また看守長に取り入ろうとするのではと疑った潤平。カケルを殴り、見捨てて先へ進むことに。

看守に自首し、看守長のもとについたカケル。看守長に逃走ルートを教えるから、罪に問わないで欲しいと自ら交渉し、免罪を言い渡された。

雑居房は5人、ゲートまで後少しのところで遠方からの射撃に身を伏せる囚人達。その中、幸作が撃たれてしまう。目を開けない幸作に必死に呼びかける3人に拓未が先を急ごうと促す。非情な拓未に食いかかる潤平。みんな何のために犠牲になった?と苦しそうに言う拓未の言葉に潤平も置いてきた仲間の顔が浮かび、それ以上は問い詰められない。後ろ髪を引かれながら4人は幸作の元を去りゲートへ急いだ。

目的のゲートに着くが見張りの看守がいて近づけない。ところが、様子を伺っている最中看守が逆のゲートに向かっていく。看守の奇妙な動きに皆で首をかしげた時、ある1人の顔が浮かぶ。

カケルは看守長に取り入るフリをし偽の情報を伝えていた。看守長は激怒し、銃口をカケルのこめかみに突きつける。カケルは抵抗することも逃げる事もせず、騙された看守長を微笑ってから、出任せで生きてきたから仕方ないのだとどこか遠くを見た。銃が鳴いた。

計画では刑務所全体を遠隔で停電させ混乱させる予定が、技術者の健太とはぐれてしまったので叶わなくなった。次の手段に動こうしたその時、看守長の銃弾が風を切る。看守長は囚人達が反撃するより早く全員の脚を撃ち動きを制限すると、そのまま倒れた囚人を1人残らずなぶり殺そうと銃を向け笑った。囚人達は迫る死に怯え後ずさる。

響く銃声に目を瞑る。が、撃ったのは看守長ではなかった。看守長の手から銃が転がる。村田は横暴すぎるやり方と何より友を殺した看守長に怒り、制裁として看守長を仕留めようとさらに撃つ。倒れた看守長に村田がとどめを刺そうとした。そんな村田に拓未は傷の痛みに耐えながらにじり寄り、村田の足にすがり必死に止める。真っ白な村田さんが手を汚す必要はない、俺たちみたいになってしまうと。潤平も手を伸ばし、もう片方の足にすがる。鋭い殺意を含んだ瞳が、拓未の言葉、血の匂いに揺れる。自分を止めるふたりに、村田は動けなくなる。看守長を討つことはできなかった。

囚人達の脱獄計画は失敗に終わったが、看守長の威圧からの正当防衛だったとされ皆大した罪には問われず。看守長は本部に引き渡され、平穏な服役生活ののち、潤平は無事出所の日を迎えることができた。ゲートの前には弟のサトシ。二人は再会し抱きしめ合う。兄弟は共に少年刑務所を後にした。

一年後、祐二との約束の丘には出所した拓未、君麻呂、啓司が先に集まっていた。そして、脱獄中にはぐれてしまった桜木、六郎、健太、幸作、カケル、山森達も次々やってくる。潤平は弟のサトシを連れてきた。カケルは銃を突きつけられ死を覚悟したが、山森達が銃を押さえてくれ直前で弾が逸れたおかげで、命に別状なく済んだ。桜木と山森達は村田が看守を説得し無事、六郎と健太を助けたのも村田だと言う。看守の村田もこの丘に駆けつけており、元囚人達から命の恩人、ヒーローだと持ち上げられて照れていた。唯一拓未達の目の前で心臓付近を撃たれた幸作は、祐二からもらった大きいナットに着弾し、衝撃で気絶していただけだったという。皆はそれぞれ無事と再会を喜びあった。祐二とトオルも、賑やかな丘の上にやってきた。ふたりは笑顔で笑いあい、皆を見送る歌を歌う。そして二人と共に生きた仲間たちは、これからも前を向いて生きていくのだと、堂々高らかに歌った。

 

追記:

読み返すと、囚人の数の変化がわかりにくい。

☆新入りがくる前の1幕冒頭:8人

赤:桜木、幸作、カケル、祐二

青:潤平、六郎、健太、啓司

です。

①君麻呂が青、拓未が赤に入り、

雑居暮らしは赤5、青5の10人

これが劇中、【雑居房】と言われる括り。

②祐二が亡くなり雑居房は9人に

③脱獄中欠員8(桜木)→6(六郎、健太)→5(カケル)→4(幸作)

☆脱獄中、ゲートまでついたのは4人

拓未、潤平、君麻呂、啓司

①8+2、②10-1、③9-1-2-1-1でした。上に書いたとおり、雑居房は祐二以外は全員出所できます。

 

あとがき

祐二くんのところや脱獄中減っていく過程の辛さが凄かったです。書き切れたかな…。ト書きやセリフ以外で私の解釈で加筆している部分があります。暗転と銃声の絶望感や、1シーンごと雰囲気が少しでも感じられたらいいなと。君麻呂の見せ場の食堂の部分に熱が入っているのは気のせいではないです。長尾担なのでそこは笑 詳しくは考察の方へ。

既出の雑誌掲載写真やパンフレット、ほかの方のレポなどと合わせてお話の種にでも。2019関西の少年たち、面白いでしょ?見たものを、忘れないうちに形に残したかったんです。悪用はご遠慮ください。

責に揺れる命の火 〜少年たち 青春の光に…〜

2019年10月6日

なにわ男子結成1周年おめでとうございました!…間に合いませんでしたが、本当はここに合わせたかったんです。

 

今年の夏松竹座で上演された舞台

少年たち 青春の光に…

の個人的まとめ・感想考察記事です。

2万字以上あるのに目次はない不親切設計。

 

こういった形で書かない方が綺麗なものもあるのだけど、実際に見られた方も多くない狭い界隈なので、興味を持ってくださる方が一人でもいらっしゃれば。

 

注意

一個人がこの夏見た物語の記録です。備忘録と記憶の整理が目的、考察の類は全て主観になります。事務所、脚本、演者、制作サイド、取材関係者様とは一切関連がございません。作品に干渉していませんし、する目的などは一切ございません。

すべてフィクション世界への感想と、個人的想像、妄想上での言及になりますので、実在の全てとは切り離してお楽しみいただけると嬉しいです。

作品や演者に興味を持っていただきたい気持ちは大いに含まれています。素人の無礼な考察行為をどうかお見逃しください。

一部公表済の文章や表現をお借りしていますが、感じたものを中心に本当に根拠もなく思うままに書いています。もし違う見方をされていたり、不快と感じたら速やかに忘れ、勿論ご自身の感性を優先させて下さい。

 

Q.少年たちってなんですか?

A.未成年を収容する少年刑務所で、罪を犯した囚人の少年たちが仲間の大切さに気付いていく舞台作品。演者やその年ごとに内容は変化するため少年たちと名のつく作品が全て同じものと言い難い。セットのモデルや映画の撮影地は奈良少年刑務所(旧奈良監獄)であり、実在のものである。

https://former-nara-prison.com

今年の夏の松竹座は未成年の囚人たち視点で描かれ、監獄の全てを意のままにする悪い大人の見本のような看守長が囚人たちの敵となる。登場人物がやたらに多い。とにかく情報が多い。

 

☆本編内容覚書はこちら

http://170815snow.hateblo.jp/entry/20191105/1572879622

 

今年の少年たちは関西Jr.に加え、看守長役にコング桑田さんを迎え全公演完走しました。

台本の他に配役オーディションがあり「ロミオとジュリエット」の一部シーンを演じてもらい、最終的なキャスティングは∞の大倉くんが決定していたそうです。公演パンフレットでも触れられず、2019.8.24発売の月刊TVfan10月号にしか公式の表記はありませんでしたが、10年前の2009年に∞の横山くんが後輩のために書き上げ「Tough Weeds 光の射す方へ…」として松竹座で上演された舞台に通ずる点が多いようで見たことある!と長く松竹座に通うファンの方々の間では公演初日から直ぐに話題になっていました。言われてみたら、タイトルも似てる。私は未履修です…。

横倉お兄ちゃんの恩恵がすごい。いつもプロデュース・サポートありがとうございます。

 

本編一幕、休憩を挟み、本編二幕・ショータイムの構成。本編は例年や映画のようなミュージカル風ではなくストレートプレイでした。キャストの名前の引用ではなくそれぞれに役名もある、普通の舞台。むしろ普通の舞台より主要人物が多く絡みが難解で難しいくらいです。歌うシーンは少しだけ残っています。少年たちファン(?)にはお馴染みの楽曲のインストはBGMとして流れ気分を盛り上げます。脱獄計画や脱獄時に嗚呼思春期のイントロや♪闇を突き抜けてのイントロが流れるから歌うのか、踊るのか?!と構えるも歌わない。歌唱パートは

♪あいつの分も生きる

♪君にこの歌を

のみでした。あとは祐二こと大吾くんのアカペラがワンフレーズだけ1箇所。桶ダンスもなし。歌といえば

♪あいつの分も生きる の「何かが足りない」と度重ね歌う部分を歌わず、2年間松竹座で歌われなかった最後のサビ「あいつが死んだ朝 僕らは生きる 居なくなった あいつの分も」の部分の歌詞を歌っていました。映画にも無く、メロディーも歌詞も私初めて聴いた…15年の少年たちで歌っていたのかは観ていないので不明です。

シーンを切り替える際にキャストが自ら運ぶ、ベッドになり檻の格子になり作業場や食堂の机になる便利な可動式セットが秀逸。そもそも運ぶのはほぼ囚人役で、運んでいる時の絵を正面から見れば檻に入れられているよう。コの字型(正確に言うならユ?)なので、脱獄時は空いている方が看守側に向いていて、空の檻に見えたり、細かい!

精神的、視覚的に多少グロテスクな部分があります。看守長、祐二の拷問シーンに血糊使用あり。他は演技のみや暗転や舞台転換で魅せます。

ショータイムがある為完全に本編はアイドルショーとしての部分を省き、舞台作品として勝負に出ていて痺れる。

本作は日記をつける新入りこと日記係がおらず、日記帳もない!例年とは違った構成で劇中に日付は出てきません。旧リーダのトオルが亡くなったのが一年前だと劇中のセリフにあったので関連の回想は別とし、経過年月不明(新入り囚人収容〜脱獄まで)のまま一年後(出所後)。花が出てきて、拓未が独房の夜は寒いと言ってるので季節は春か秋かなあ。

囚人に番号はなく、左胸にボタンで名札をつけており、番号ではなく苗字で呼ばれます。

囚人服もつなぎではなく上下バラの厚手の作業着に。生地が分かるほど近くでは見られていませんが綿麻のような少しざらついた光らない生地でした。

登場人物の発言や名前からそれより少し前の年代を感じるのに、健太の技術の話やちびっこJr.がガラケーを持っているので割と近年なのかなあ。フィクション感を強めたり、誤解を生まない為に年代をぼかされてる?ような感覚になります。程々な非現実感は暗い話を日常に持ち込まずに済むのでありがたいです。私はバリバリ持ち込んじゃいましたが…笑

 

ストーリーテラーを1人挙げるなら柿本拓未(大橋和也)、俗に言う主役ような立ち位置は1幕は大村祐二(西畑大吾)、2幕は相村潤平(道枝駿佑)になるのかなと。新入りで赤青を協力させる明るい役、柿本拓未は昨年までの所謂日記係ではないものの、自身も身を置きながら全てのことを見届ける者として残っています。

例年通りに1名、新人看守のふりをして刑務所に潜り込む本部からの捜査官の村田宗次郎(藤原丈一郎)に、囚人との昔馴染み設定が乗ってストーリーにより深く絡むように。

今年は囚人側に新入りが2人。大田原君麻呂(長尾謙杜)も拓未よりは控えめですが、皆の変化のきっかけとして機能します。長尾くんのファンなので定点観劇分を下にまとめてみました。

 

・大田原君麻呂(長尾謙杜) 青房 新入り

明るく人当たりがよく、すんなり環境を受け入れた拓未とは対照的に、何故自分がここに入れられているのかも分かっていないような世間知らずのボンボンくん。初日〜前半は弱気な少年な印象が強く、半ば〜演出家さんと相談しながら役を作っていったと発売済みのSTAGEnaviにて話していました。ありがたいことに前半、中間、千秋楽公演と程よくばらけた日程で観劇の機会をいただけたので、変化をこの目で感じることができて感動しました。ここでは主に千秋楽の大田原君麻呂について書いていますが前半公演で記憶に残った部分にも一部触れています。

良いとこ育ちのため綺麗好きで雑居房の環境に汚い!個室のトイレがないと無理!と来て早々文句をいいメソメソしだし雑居房の面々に初っ端から呆れられる。挨拶を突っぱねる桜木に怯えて少しちびった事も拓未と顔を見合わせて笑えたり、視線さえ逸れれば乱闘の中堂々と用を足せたりするので、決して気の弱い子ではない。

雑居房はおろか、少年刑務所、窮屈な暮らしは初めてと思われる描写が多いため恐らく前科はない。自分の置かれた状況もよくわかっていないので。行進で手と足が一緒に出てしまい、看守に何度注意されてもうまくできない描写がありました。(前半公演は、緊張して強張ってうまくできない様な印象)

一番の見せ場である、食堂のシーンでは山森たちの待遇の話に食いつき、静かに耳を傾ける仕草や配給を受けながらもソワソワしだす様子がかわいらしい。看守長に自ら声をかけ、お金での待遇改善を申し出る君麻呂は愚かでしかないが無邪気な無敵で。その件は既に看守長側から交渉済みで、寧ろ「罪を犯すような息子は暫く表に出さないでくれ」と断られた事実を告げられると「嘘だ父さんが」と呟いた後叫びながら他の囚人の食卓をひっくり返して荒らし、「父さんに捨てられた…」とふらふらと力無く崩れ落ち泣きます。駆け寄る拓未の胸を借り泣く姿、座り込んでその場に動かないために、六郎(嶋崎斗亜)に抱き抱えられ避難させられる姿は幼い子のよう。このシーンで、コング桑田さんがカットになった看守長のセリフで、どうせ全てお金で買ってきたんだろう?のような追い討ちセリフがあったことを教えて下さいました。

皆で刑期を終え出られたら何がしたいか語る際に、祐二の「ここに来た時点で〜(親不孝のようなもの)」の言葉が刺さり俯いてしまうところから、見捨てられたと知ってもなお、父親のことを心から恨んだり嫌いではないことが伝わります。父親以外の家族は劇中に出てこないので不明ですが、この子は心からお父さんを頼りにしており、お父さんが大好きだった。

ですが、祐二が亡くなり、看守村田が怒りと悲しみ溢れる囚人をどうにかなだめようとするのですが、その際に君麻呂は村田を疑ぐるように見ていたのです。「俺がどうにかしてやるから、目立つ真似はせず大人しく待っていろ」…これはきっと、君麻呂が父にもらっていた言葉に近いのかな。一度裏切られたから、信じがたい言葉。それか、もっと闇深い考え方をするなら、自分の為に助けてくれていたと思っていたのに、結局は市会議員の息子が惨めであってはならないという父自身の世間体の為であったのでしょうか。どちらにしろ、縋ったものに見放された君麻呂は村田の言葉を信じられるはずもなく、睨みつけるまでの強さはないものの、疑った視線のまま目で追うような態度を取ってました。例えるとすれば俺スカの4話和解前の東条に接する際の若林の表情に近い、見てはいるけど受け入れない。警戒のような、そんな顔です。

日程前半〜中ごろの公演は言葉を発する村田を見ないようにし、現実を受け入れたくないのか俯いたまま背中を向けて少しずつ自身を距離を置いていました。静かに村田の動きに合わせて嫌々へそ曲げる仕草もこれはこれで子供っぽくて可愛かったです。

過保護にされていたけど、流石に庇いきれず親に見捨てられた世間知らず。大人の都合でそうされていたのなら尚更不幸な子だなあと。脱獄の話では最初は尻込みするものの、「1人だけ置いてけぼりは嫌や!」と奮起する。逃げ腰であったが作戦会議で各々特技を活かした役割を決めるシーンでは、自ら汚くて臭い、トイレの配管をたどり刑務所全体を把握して図面を書く皆の嫌がる役割に立候補。勿論皆に本当にいいんか?と聞かれるが、それがみんなのためになるならと頷く。続く「…それに、昔からお絵描きは得意や!」の台詞が愛おしくてたまらないです。かつて誰かに褒められたり、自信がついた経験があったんでしょうか。お金で買わなくても、褒められてそれが嬉しかった記憶。みんなの為に暗くて汚くて臭い場所で頑張れてしまう君麻呂と、潔癖な君麻呂を心配して確認してくれる雑居房の皆が愛しい、個人的にお気に入りのシーンでした。君麻呂は臭い嫌やとメソメソしながらしれっとこなしていますが、脱獄計画においてすごく大切な部分を任されて、無事にやり遂げています。看守視点で考えてもあのボンボンの君麻呂が下水層を嗅ぎまわってる筈がないので意表を突ける良案です。万が一見つかっても迷子になってる辺りの言い訳で切り抜けられそう。自分のペースが保たれて劣等感を感じない、他者の冷たい視線がなく、仲間に恵まれれば実はすごい力を発揮できちゃう子だったりして。元々自己主張はできますし。

劇中、中ばには出来なかった行進もしれっと出来るようになり、脱獄の際も遅れたりはぐれたりすることなくしっかりと皆について走り、無事に門の前まで到着。看守長には左腿を撃たれ、恐らく弾が抜けず倒れてもがいた後丸くなり酷く苦しみます。脱獄シーンの最後、看守長を殺めようと銃を構える村田を拓未や潤平と共に止めようと痛みに耐え必死に前進するも、君麻呂の手は村田の足先にも届きません。あと少し、まだそこまでは届かないかと、見ていて悔しい。

脱獄後のシーンではスーツネクタイにスキニージーンズ。♪君にこの歌を のサビでは前半公演は両手を尻ポケットに入れる癖があったのですが千秋楽ではやっていなかった。最後の掛け合いの「愛ってやつをね!」のクサさが好きです。綺麗好きだけれどクサい子君麻呂。自ら金臭さを水洗トイレに…水に流して少し強くなった彼は臭い物に蓋をする父とも、今後はうまく向き合える…と良いなと思います。

役割としては、置かれた環境、貧困や孤児、金絡みで拗れ罪を犯した囚人達の中にやってきた世間知らずな親もいる金持ち育ち。子供っぽさの残る思考と、目の前で親に見捨てられる姿で雑居に幸せとはお金でも親でも無知でもないことを改めて考えさせる。お金があって、家族が立派でも、周りの環境が良くても、一歩間違えたら俺らと同じ、と自身の不幸と不遇の不満で凝り固まった囚人たちに一石を投じる1人。皆に笑顔や協力を促す拓未のように分かりやすい革命児ではないものの、雑居が一丸になるための種を蒔く大事な役割でした。君麻呂自身はイヤイヤいうだけでなく、自分はどうしたいかを言えるようになったし、皆と同じ事が出来た自信もついたように思えます。徐々に皆と打ち解け、健太(小柴陸)や六郎と仲良さげに絡んだり、看守に殴られた潤平(道枝駿佑)を心配して側に歩み寄ったり人懐こさのわかるシーンが多くありました。

前半公演の人目に怯えた弱気な君麻呂は、同じ汚れ仕事に立候補するシーンでも僕には最後に残った仕事しかできない、と自己肯定感が下がったような響きに聞こえました。私はどちらも好きですし、印象は受取手の思考パターンや精神状態にもよるかと思います…!台詞自体は変わらないのに、声のトーンや仕草でかなりキャラクターが変わってびっくり。素人耳ではありますが全体的に出だしが小さい弱気な話し方から、無邪気な子供のような発声に変わっていました。動きも大きくなり、歩く仕草の足取りも心なしか軽くなっていたように思います。

去年の日記係に続く新入り役。今回は生き残れた!!!台詞や役割に遊びが効いたとっても素敵な役でした。ほぼトイレを運んでいてかわいかったです。ボンボンの駄々っ子だけれど憎めない君麻呂ちゃん、出所後は大好きだったお父さんに迷惑かけてごめんなさいが言えていたらいいな、あと、お父さんにお金で解決してもらわなくても、もう1人でなんとかできるよって。

 

長尾担なので、定点で力を使い果たした感ありますが…以下他の子の私的解釈や情報まとめたお話です。覚えている箇所みなので文章量に差があります。それと間違ってたら本当にごめんなさい!

 

・相村潤平(道枝駿佑)青房

親がおらず弟と二人暮らしをしていた。生活のために賭博に手を出し投獄。賭博は一時的なものだと懲役がないので常習か賭博の主催側。弟とは連絡を取っているが、捕まった事実を隠し留学すると嘘をついていました。

桜木とは犬猿の仲で現青房の中心人物といえる。元リーダーのトオルと親交が深かったようで、事故死の原因の祐二を責めるような言動をしたこと、どうにもならないと知りながらも、思いの行き場がなかったと拓未に嘆く。喧嘩の強い桜木に一打の威力は劣るが怯まない精神力がありさほど劣らない実力が見て取れる。

衝動的であれど祐二を責めたことを後悔はしていて、トオルと自分を庇って犠牲になった祐二の無念を晴らすべく、刑期が伸びて弟を待たせてたとしても、脱獄計画に参加する選択を取ります。雑居の中では頭の働く方で脱獄の際は作戦を提案し脱獄を仕切る立場に。冗談を言うタイプではなく態度はクールだが弟がいるためか面倒見はいいように見え、そもそも仲間に気を許しすぎて事の発端のカケルの仕込んだタバコに気付けなかったり、脱獄の最中に看守に狙撃された幸作が気を失うとすぐに見捨て、他の仲間の犠牲をも決めつけ先を急ごうと急かす目の色の違う拓未に1番引いていたりと仲間思い。

前半日程では看守長の銃撃シーンで撃たれた場所が異なり(腕肩胸腹のどれかだった記憶、すみません。とにかく腕を伸ばすのが困難で村田に縋れるような状態ではなかった)、中盤から足に変わり、拓未と共に手を下そうとする村田の左足にしがみついて、拓未と共に止めるように。

衝動に流されて、人のせいにして、後悔して、騙されて、今度は自分のせいで人が倒れて、最後は脱獄計画を指揮し皆の命を背負おうとする。結局計画通りには行かず勝手されちゃいますが、もう彼は誰かのせいにはしませんでした。俺たちの脱獄計画は、失敗に終わった。それもしっかり受け入れて。激動かつ1番劇中で健全に苦悩するというか…人らしく不器用に足掻くのが彼かなあと思います。駿くん不器用も苦悩も似合過ぎるのでこういう役多いですね?綺麗な顔を困らせたいし嘆いてほしい!(こら)そして最後に笑顔が見たい!私見たい流れを見られた役でした。出所後に再会した弟に向ける微笑みがとても優しくて好きです。悲劇の連鎖を止めたのが潤平ですが、決め付けがちな自分をちゃんと分かっていて拓未にも事情を話す勇気もあり、責めない祐二の優しさと、最後まで綺麗なままの兄弟愛が揃ってこそ止められたのだと思っています。

日替わりなお話ですが、六郎作のペーパークラフトパンケーキを手に取るシーンで、手にとった拍子に自分の分のバターの部分が取れてしまって「あ…」ってぽかんとなってる潤平くん(これは駿くん?)を2公演くらい見かけて、ほんと不器用で可愛いなって思いました。

 

・桜木郷(高橋恭平) 赤房

元ボクサー。罪状は不明。皆は元格闘家と言っているよう。気難しく、キレると手に負えないため囚人達から恐れられている。赤青の対立の中心人物であり潤平と事あるごとに対立し刑期を伸ばしていた。赤青が不仲になった原因はトオルの死と、それについて青房の潤平を筆頭に同じ赤房の祐二が責められた事なので、本人に自覚があるか分かりませんが、ずっと結果的に赤房の面々を自分の圧倒的な喧嘩の腕と威圧感で守っています。邪魔なものは嫌いだけど、無害なものには我関せず、拳を振るえる機会は逃さない。労働のシーンはとても退屈そうな表情でした。懲罰房上がりを理由に潤平に庇われたシーンはとても不服そう。赤青問わず雑居が1つになっていく過程では寡黙なのですが、段々と印象が柔らかくなって、パーソナルスペースが狭くなっていく桜木は可愛かったです。祐二のことは嫌いではないのは絶対。出所後の夢を語るシーンでは、またボクシングをやりたいと言っていました。

潤平主導の脱獄計画に従っていた桜木でしたが、皆を先に逃がし途中で立ち止まります。皆の為、追っ手の複数人の看守に立ち向かうシーンがやはり一番かっこよかった。身を呈して時間稼ぎと追っ手を負傷させ弱らせる目的でしょうが、雑居の喧嘩がなくなってしばらく、桜木自身好きな喧嘩…自分試しが出来る機会を心から待っていたようにも思えます。自分に怯まず、笑顔でかわし拳を受けとめた拓未のことはかなり意識しており、別れ際には、お前と出会えて良かった、本気でやり合いたかったけどな、と看守と戦う前、本人の居ない場所でひとり本音の言葉を残します。このシーンで流れるインスト楽曲がとても好きなのですが、曲名も分からず聴き覚えもなかったため勝手に桜木のテーマと名付けてて笑。サントラ欲しい。最後は抑え込まれ連れて行かれてしまいますが、村田の手回しで懲罰を免れる。

脱獄に参加した囚人中唯一銃弾に縁なく幕が降りるのに気付いたときは、いつも1人で自分の戦いたいものに向かっていく桜木郷へのリスペクトのようなものがあるのではないかと感じた。この男に野次は不要なのですね。

恭平くんはとことんかっこつけて演じたとのこと。演出家さんがナルシズムの奥の純粋さに気付いて大切にして下さったようで、綺麗にハマっていました。上手く表現できませんが、古典の男性的な美的感覚をそのまま人にしたような、とても魅力的な役…!花は桜木、人は武士…!!そして名前の読み方はごうで良いのでしょうか?劇中呼ばれる事がないので分からない笑

 

・飛田カケル(西村拓哉) 赤房

詐欺で投獄。皆と同じペースで喧嘩をし、笑談をする特に目立つわけでもない普通の少年。1幕序盤は特に何かするわけでもなく桜木の取り巻きのような印象。1幕後半からの存在感がすごい。自分の刑期を短くしてくれるという看守長の誘いに乗り、出所間際だった潤平のポケットにタバコを仕込んだ犯人。仕込んで直ぐの抜き打ち検査は顔色を変えることなくこなすが、祐二が身代わりに出頭した際少しだけ動揺していたような気がした。

朝礼の冒頭、看守長の誠に残念な〜のあたりから何かを察し血の気が引いたような顔のまま全く動かないカケル。悔やみ悲しみ、駆け出す順番は一番最後、多分誰より重い足で走っていました。耐え切れなくなったのか、雑居房皆に真実を打ち明け謝る。一発殴られ、周りに呆れられはしたが、祐二が望まないと幸作の一声以降責められることはなかった。改心して、「仲間と認めてくれたのはみんなだけだから」と脱獄計画に参加する。

が!逃げる途中に降参しようと言い出し看守に自首。看守長に逃走経路を吐くから、今回の件は俺だけ見逃してくれと交渉する。二度目の裏切りに呆れ果てた面々はカケルを切り捨てるが、これも全てカケルの戦略であった。看守長に嘘の逃走経路を教え、仲間の逃げ道を安全にしていたのです。看守の警備が手薄になっていく様子を見て、皆はカケルのしたことを理解してくれたのでした。嘘をつかれ激昂した看守長に直接銃口を突きつけられ撃たれるも、駆けつけた山森たちの援護で頭を掠めただけで致命傷にはならず、追い撃ちも食らうことなくそのまま助かっています。生き残れるのは少し予想外だったみたいです。

出任せで生きてきた?嘘だ!全部計算なんじゃないです?カケルさん!?何がやばいかって自分の命を取るか仲間との絆を取るか、最後の最後まで主導権を自分で握ってたんですよこの子は。看守長までも利用し、自分の生死も自分の意思で選んでいた。…出任せって選び方が出任せだったって意味か?これ以上は私の頭が追いつかなくてダメだ…。でもきっとこの子は生きていく過程で、選ばざるを得なかったんでしょう。考えれば考えるほど賢くて、寂しい子だ…。

タイミングの良すぎる抗争や看守の配置など、もしかしたら以前からスパイとして共謀していたかもしれない…と思うと1幕前半の行動の全てが疑わしくなる。それとニシタクさんが実は青房の健太とは親友の裏設定があるとかんじゅ日誌で教えてくれて!プログラムや機械を組む子と人の心を汲む子が親友でどちらも少年刑務所にいて、表向きはさほど絡まないものの秀才同士にしか分かり合えない複雑な事情がありそうで。利己的に考え生き抜くも結果罪に耐えかねて1人で死ぬことを選んだ子と、無謀でも新しい相方を守り2人で生きること望んだ子(六郎健太の項参照)が実は親友…私が見ていないだけで何かあったんですか?

 

・鈴村幸作(大西流星) 赤房

劇中でずっとサバイバル生活…すごくポジティブな言い方だが家なき子をしていたと語っている。親もいない。罪状は不明。金属類を中心にガラクタを集め、加工して売って生計を立てていたよう。その点か、ガラクタ収集になると強気になり祐二の見つけた大きいナットを半強引に貰っていた。そのナットに紐を通し、一つだけ一際大事にしていたお陰で、脱獄時遠方から狙撃された際に衝撃で気絶しただけで怪我もなく無事で済んでいます。

祐二の隣のベッドで、雑居の中で一番祐二の近くにいるのが幸作でスキンシップも多い。リーダーになった祐二を心から持ち上げ、亡くなった後に祐二の書いた母への手紙を見つけて読み上げたのも幸作だった。信頼する人への懐こさとかわいい顔に反して、口喧嘩をふっかけられると好戦的になる。少しがめつく、いざとなればその辺の草でも紙のパンケーキでも食べようとし、全力で生きようとする男の子。集めたガラクタは宝物と言う。流星くんも日誌に載せてくれた、劇中に置いてある日替わり針金アートはスタッフさんの愛しかなかったです。不遇な生まれでも、幸せは自分で見つけて拾って自分で作ってしまうもの。名前が素敵。

 

・波多野六郎(嶋﨑斗亜) 青房

投獄理由は恐らく窃盗。同じ青房の健太と仲良しで互いに相方と呼び合う。食堂のシーンでは健太と一緒にジェスチャーのみで毎公演色々な食べ物を食べていたとかんじゅ日誌より。雑居房では披露できる機会がないが料理を作ることも好きで、刑期を終えたらいつかパンケーキ屋さんを開きたいと話す。潤平の出所祝いのパーティでは仕方なく紙製のパンケーキを振る舞った。手先も器用とみる。

小柄で可愛らしい見た目だが、盗みの腕には自信あり。看守の隙をみて鍵を手に入れたり、脱獄時は武器の調達がしたいと自ら一人で追手の看守にタイマン勝負を仕掛けるほどの勇敢さと、一対一であれば容易く銃を奪う腕を持っていました。健太と合流したところで健太の目の前で後の追っ手に足を打たれてしまい、置いていけと叫ぶも健太に担がれ銃を乱射しながら逃げる。複数の看守に取り囲まれて、六郎を担いでいた健太も負傷した絶望的状況の中、来世での再会の約束を交わしたあと、叫ぶように手負いの二人で肩組み向かっていく。響く複数の銃声で、暗転。既に無事ではない上この演出、私の知るだけでも沢山の方が初見このシーンで涙し、胸を打たれていました。私もそうです。

・落合健太(小柴陸)  青房

投獄理由は不明。同じ青房の六郎と仲良しで互いに相方と呼び合う。夢を語るシーンで出所後は六郎のパンケーキ屋さんのマネジメントをしたる!と肩を組む。コンピュータから電気系、色々細工ができるようで、脱獄のために遠隔で刑務所全体を停電させてかつ、スイッチングでは復旧のできないコンピューター制御と電子回路まで絡む高度なプログラムを仕込んでいる。高度すぎて本人しか起動できないのか、健太が戻らなかった時、潤平はもう制御盤を叩き壊すしかないと言っていた。

健太は刑務所に来てから、脱獄計画の自分の役割も、時間をかけて組んだプログラムも、自分の身の安全も全部放り投げるほどに心配な、来世も一緒にいたいほどの相方に出会えた。そして見失うことなく、その手を離さず共に眠ることさえ選んだ…と思うと17年少年たちの頭の良い秀才役キョウヘイとその親友役ケントと重なってしまってもう涙腺がダメです。2人セットで書いてしまって申し訳ないが本当に一生一緒にいてください。

 

・戸隠啓司(當間琉巧) 青房

投獄理由は不明。想像力豊かで柔軟な上はっきりと自分のある囚人。新入りの拓未が言う「笑えるやつが最強」説に真っ先に同意した。出所後の夢は海賊王と本気で語る。喧嘩も恐らく、楽しいので参加するタイプ。アホと笑われるが気に留めず、紙のパンケーキで本物を思い浮かべて気持ちでお腹を膨らませようとするなど、不満の多い雑居房の会話の中、彼の一言が気になり皆が反応するような、発想力で注目を集めるシーンが印象深かったです。君麻呂とまた違った純粋さ、子供っぽさがあります。啓司くんのほうがちょっと無邪気のなかに野心と、興味由来の残酷さを含む表情をします。

身体能力も高く、脱獄時も最後まで拓未、潤平らと共に最後まで逃げ残る。撃たれ倒れた位置が一番遠く、看守長を撃とうとする村田には手が届かなかった。

 

・柿本拓未(大橋和也) 赤房 新入り

正義感が強く、街のチンピラを懲らしめる際にやりすぎて投獄。君麻呂と同日、初日から雑居房に放り込まれた新入り。初対面で格闘技経験者の桜木の拳を見切り受け止める動体視力などからかなりの喧嘩の腕を持っています。強くてその上友好的で人との距離を縮めるのがとても早く、本当の強さは辛い時に笑える強さだと言い放ち、不仲の赤房と青房の理由を探りながら、仲介していく。祐二の違和感に気づき、父親に捨てられ泣きじゃくる君麻呂を抱きしめて君麻呂をバカにする山森たちを睨みつけ、桜木を潤平と共に庇うついで潤平の気持ちと抗争の発端を聞き出すコミュ力おばけのスーパーヒーロー。トオルを失った監獄に再び登った、暑苦しくも皆を照らし道を示す太陽だった。

…が、祐二が看守長に殺されるとそれ以降、拓未の纏う気配が変わるというか、健全な笑顔笑声にみえなくなるのです。仇をとりたい、と相談する際にも、いかに看守長を精神的にもいたぶれるかに重点を置く。脱獄を提案するのも拓未で、騒ぎになったら面目丸つぶれだ、と含み笑いで冷たく言い放つのが怖すぎて。脱獄時も、倒れた仲間をすぐに切り捨て、置いてきた仲間の無事を信じることなく犠牲という。そのセリフには流石に後悔を滲ませるが、次の引き返すも立ち止まるも降伏もない、冷たい声色の「いくぞ」で鳥肌が立ちました。拓未の中では正義で悪を懲らしめること、もう脱獄という復讐の完遂しか見えて無いようで恐ろしい。お分かりでしょうか、2幕は彼自身がもう、声を出して笑えていません。

祐二の無念を晴らすため殺人に手を染めようとする村田を見てようやく、目の色と声色に感情が戻り必死に止めます。真っ白な村田さんには、俺らみたいになって欲しくないと真っ先に足に縋り訴える。

望まれる太陽であれど、見えない光でじわじわ焼かれ、日照りが続けば乾ききるし、近付けば火傷では済まない。エネルギーが強すぎる正義が、お日様が悪者にならないためには、雨も雲も必要で、冒頭の語りのように雲に抱かれて太陽が沈む時間もきっと必要なんだ。人の為に奔走できる、強くて能天気な笑顔の拓未は拓未自身のありたい姿なのかもと思っています。人や自分を守る正義が、悪を倒すことに差し代わり、自分と同じ道を辿りそうになっていた村田をどうしても止めたかった。投獄理由から明らかですが、それ以上はダメだ止めろ、と拓未を止めてくれる…止められる人が、以前は周りに居なかったんでしょうね。その点では心強い仲間との監獄での経験を経て良い方に向かえているのかな!良い意味でも後ろを振り返らない子だと思いますし。

パンフレットで大橋くんが話していた、少年たちは毎年の積み重ねという言葉は考察過程にとても影響を与えていて。確かに、ストレートプレイになり細かな設定は変わっているから印象は違うけどキャラクターの分布図というか、看守サイド・山森たち、去年なら島の住民・囚人サイドの構成は変わってないですね…。再会、親友、兄弟、親子要素とか毎年あるし今回もある。大橋くんのたった一言二言に、すごく興味がわいて仕方のない時があります。

 

・山森冬樹(大西風雅) 赤房※贔屓

看守長への金銭贈与により刑務所内で高待遇を受ける囚人たちのリーダー格。赤房だが、同じ赤房の雑居組に関わらず高みの見物をしている。抗争での立ち位置は映画少年たちの黒房です。2幕では、祐二の突然死と看守長の態度にいよいよ不信感を抱き、3人を率いて看守を足止めし、雑居の脱獄を手助けをする。ここの喋り方がとても輩でした風雅さん。山森たちが看守との戦闘中、恐らく村田が駆けつけ、自分の事情を説明し、看守を説得したのだと思われる。恐らくここで致命傷のなかった山森たちは駆け回り、看守長を出し抜き、撃ち殺されそうになっていたカケルの元へ。皆で看守長を抑えこみ弾をそらして助けるなど、本編では描かれないところで大活躍していました。「約束の丘」のことは知らなかったはずなので、脱獄騒動のあとは雑居房と仲良くなったのでしょうか。そこも可愛かったです。

・後藤清典(岡佑吏)青房※贔屓

山森の取り巻き、恐らく贔屓組の中心人物の1人。雑居房を小馬鹿にしている。父に見捨てられた君麻呂を馬鹿にしたり、典型的ないじめっ子。本人もイヤなやつを意識して演じていたそう。

・松井進也(奥村颯太) 青房※贔屓

山森の取り巻き。空き巣の常習犯のため投獄、物音に敏感な設定は本人のかんじゅ日誌より。身軽で脱獄加担の際には看守の背後から飛びかかって背中にへばりついて邪魔したりしていた。

竹島優一(岡﨑彪太郎) 赤房※贔屓

山森の取り巻き。脱獄加担の際は看守にパンチが当たらない上やられっぱなし。すごく喧嘩が弱かったかわいい。

・時岡洋平(浅倉吏玖) 赤房※贔屓

山森の取り巻き。見る余裕がなくて申し訳なかった…。18年組の吏玖くんがここにいるのすごい。 

※高待遇を受ける贔屓組は区別のためか囚人服の色が雑居房の囚人とは異なる。赤は赤紫、青は青緑に近い。一応括りとしてはそれぞれ赤青として収容されているようだ。赤青の抗争を面白がっているが、一年前から全員居たかは定かではない。常に5人一緒に出てきた。

君麻呂のメインシーンでの印象が強いため、実はこの子達も刑務所内の高待遇で雑居に優越感を感じているが、実際は家族が看守長と直談し、刑期も何もかも大人に計算されていて、知らぬ間にお金で売られている可能性もあるのでは…なんて思ってしまったり。

 

・大村祐二(西畑大吾)赤房 2幕故人 ・小学生の祐二(伊藤篤志・山中一輝 Wキャスト)

毎度バイト代を盗るバイトの同僚を衝動的に包丁で刺してしまい投獄。反省しており、控えめに日々を送る看守囚人共に認める模範生。気が弱く好戦的とは程遠い。以前はよく笑う子だったようだ。

約一年前、脱獄容疑をかけられた際に、皆が頼り慕っていたトオルが身代わりになってしまったと青房中心に恨まれ、赤房と青房の抗争のきっかけになってしまう。巻き込まれるように雑居房に入れられ、同じ括りで扱われるも、本人も自分を責めているせいか周りの囚人には一切文句を言わない。父に暴力を振るわれながら育ち、母を愛し、母に手紙を送りながら過ごす。新入りの拓未に笑うことを提案され、「最近は声を上げて笑うことは無かったけど…」と同調し笑い出します。しかし拓未に自分がここに来た経緯を説明した際には、語りながら呼吸を乱し涙声になっていったり、村田との再会を素直に喜べなかったり口調も謝りがちで不安定な部分が目立つ。

赤房と青房が雑居状態になって暫く経ち、自然に赤と青の境目が薄まり笑顔が増えてきた頃。祐二は話の中で、雑居房の全員が刑期を終えたらこの刑務所を見渡せる丘の上で同窓会をしよう!と提案します。集まるには集合をかけるリーダーが必要と、リーダーに推薦される祐二。まず一抜けの潤平の出所日が迫り、雑居房内はパーティが開催されたり、うっかりムラッチ呼びをしてしまい看守村田と小学校の同級生だったことがバレて運命だとからかわれたり、祐二自身も自然に笑顔の絶えない日々が続く。そんな幸せな日々は束の間、看守長は細工をし潤平の刑期を伸ばそうとします。連れていかれそうになった潤平を声を絞り出して庇い、懲罰房へ連れていかれた彼が雑居房に戻ることは二度と無かった。人気のなくなった時を見計らい昼食をこっそり持ってきた雑居の面々に感謝し、助けようとして他の看守と看守長に見つかった村田の身を案じ顔を歪めた。祐二は最期まで笑っていて、最期の言葉は「みんな、ありがとう…今日は最高の日や!」であった。その時手を下した看守長だけが耳にした…筈だ。聞こえていたかは分からない。

拷問に耐えながら、「リーダーやから」と呟く姿は見ているのが辛かったです。リーダーとはなんなのか、リーダーは必要か。でも、祐二は自分がリーダーに任命されたこと自体を、最愛の母に手紙で報告する程喜んでいた。母に届かなかった最後の手紙は、亡くなった後、遺品の中で見つかります。

大村祐二の人生のクライマックスに、流石の演技力で連れて行ってくれました大吾くん。ロウソクの火のような男の子だった。これは観る側のお話なのですが、リーダーになるシーンで話の流れから死亡ルートがぽんと浮かぶんですよ。みんなで笑ってるのに死亡フラグが確立する?あの感覚が忘れられない。

リーダー…魅惑的な響きは無意識な後悔、償い、責任、そして憧れを含んだ。自分を庇って命を落としたトオルのように、仲間の盾になることで祐二はリーダーとしての務めを果たそうとしたんですかね。模範生のお前がタバコを吸っている筈がないと、あまりの見え透いた嘘に看守長すら情けをかけるが、最後まで祐二は吐かず。結末はトオルの二の舞の悲劇に。彼がなったのは自分を守った背中そのもの。

自分も誰かのヒーローになれる時がきたと勇気を振り絞り前に出た祐二にその先の悲劇や残された者の悲しみを想像できる心の余裕は…もう無かったのだと思います。命を落としてやっと肩の荷がおりて、自分を許してあげられたのかな。一年後は約束の丘の上で、前を向いて生きる仲間の背中を感じ、笑っていました。母に花を贈ろうとして二度も悲しい結末になり辛い。どう考えても残された祐二のお母さんが一番辛いかな…。

 

・森下トオル古謝那伊留)元青房 故人

かつて囚人達に慕われていた人物。祐二曰くリーダーにぴったりの人柄と人望。祐二と個人的な交流もあったようだ。看守長に呼び出された祐二を庇い、体罰の末に亡くなる。第一発見者は祐二だった。自分の助言のせいで、無実の罪で疑われた祐二を助けたかった一心である。どう汲み取っても好き好んでそうなった訳ではない。亡くなった後も、思念として見守り続け、あまり笑わなくなった祐二を気にかけていた。

エンディングの♪君にこの歌を で祐二と再会し笑いかけるトオルの顔は優しく、祐二とともに丘から出所していく囚人たちを見送ります。演出的には亡くなっている2人と他の囚人、村田がすれ違う絵も綺麗。古謝くん、稽古中は不在者の代役をしていたようで、なにわ男子の半分くらい台詞も完璧で代役をこなしていたらしい。素直にすごい。

 

・相原サトシ(浦陸斗・姫野颯良 Wキャスト)

潤平の弟。親がいなく兄も捕まってしまったが、身寄りはあるのか普通に学校には通えている。兄はアメリカに行ったと思っており、刑務所にいることはクラスメイトに言われるまで気づいていなかった。兄の嘘や罪を恨まず、またそれを噂したり悪く言う周囲にも負けず、更に周りの近い年の子供達を説得しながら、事実を知ってもなお健気に兄を待ち続けた。出所してきた潤平に駆け寄り抱きつく絵がとても綺麗でした。

未来の象徴として描きたかったものかもしれない「一番強いのは瞳が希望に満ち信じる心のある子供」をそのまま役に起こしたような、そんな子。映像化済で例えるならばDREAM BOYS系統のJr.時代の薮くんや中島裕翔くんの演じた主人公に出会う少年に近い印象でした。というかそのものです。嘘に逃げた過去を許し目先の苦しさを乗り越える力を宿した、幼い瞳に光る憧れ。今のドリボにもあるんだろうかこの役。互いに思い合う兄弟は強い。毎年松竹座でも描かれていた兄弟の絆ですが、今年の兄弟は死に別れずハッピーエンドでよかったです。

 

・村田宗次郎(藤原丈一郎) 新人看守? ・小学生のムラッチ(丸岡光聖・角紳太郎 Wキャスト)

新人看守として、本部よりやってきた。刑務所へは自転車で通勤している。登場シーンの口笛は日替わりで高校野球のテーマ他色々な曲を吹いていました。正義感が強いが実はお調子もの。祐二と小学校の同級生で、ムラッチと呼ばれ、泣き虫の祐二を当時から気遣い手を引いていた。アントニオ○木のモノマネが久しぶりに会う二人を繋いだが、昔と同じように仲良くやりたいと切り出すと祐二には拒まれてしまった。実は本部から看守長の不正を疑い派遣されてきた捜査員なのだが、完全に看守長の城である刑務所内ではうまく動けない。

雑居房が仲良くなってきた頃、賑やかな雑居房に村田が巡回する。看守が来たと構える囚人たちの輪で祐二がぽろっと「ムラッチ」と呼んでしまい、雑居房の面々に顔馴染みであることがバレて、運命やなと笑われる。ここで祐二と村田は再会の日ぶりに顔を見合わせ、照れくさそうに笑った。二人の心が近づけた、そんな気がしたのもつかの間、抜き打ち検査で潤平を庇った祐二が懲罰房へ連れていかれる。

懲罰房で酷い体罰を受け、息も絶え絶えな祐二を心配して声を掛ける。その様子を他の看守に見つかり、自身も連れていかれ拘束されてしまった。その間に…。

自分の潜伏期間に刑務所で不審死がでた。金での優待、理不尽な体罰や意図的な刑期の延長、過去の殺人行為の隠蔽、そして祐二を殺害し隠蔽したことと十分過ぎるほど証拠は揃う。自身も祐二の死に苦しみながら、怒りと悲しみに暮れる囚人たちが暴走しないように諭すのだが、思い届かず囚人達は脱獄計画を実行。看守の銃の使用が解禁された監獄の中、囚人たちの命を守って、看守長を自ら止める…討つべく動く。

山森たちと戦闘中の看守を説得、六郎と健太を撃とうとする看守を止めて説得し、看守長を追う。

追いついた頃には既に看守長は囚人に発砲しており、足を撃たれ動けなくなった囚人を今にも殺そうとするところであった。看守長の手を撃ち抜き銃を落とし、更に追い討ちをかける。自分の手で始末する。倒れた看守長に怒りを込め銃を向けるが、血だらけの拓未と潤平に手を汚さないでほしいと必死に止められ、とどめは撃てなくなった。

一年後、約束の丘の上で、自分の話をする元囚人たちの様子を照れながら見守っていたのちに発見され話の輪に巻き込まれる。無念も少し滲んだ目は村田さんのお陰で助かったんだ、俺らのヒーローだと言われながら、同じ空を見上げていました。

六郎と健太のシーンで鳴る複数の銃声は、看守の銃を撃ち落とした音の可能性があるなあとか。折角また祐二と昔みたいに笑い合えたのに、そのシーンの直後、本当にあっという間に祐二が悲劇に連れ去られてしまう辺りが絶望しかない村田さん視点。祐二を殺された怒りに任せて下手に動けば自分の身や課せられた仕事も破綻する。ここで自分が始末されるような事があれば、看守長は勝手を繰り返し、またしばらくの間は囚人たちに助けは来ない。考えれば考えるほど、胃に穴があきそうな立ち位置です。一年後のシーンも看守の格好のままやってきます。祐二は守れなかった、でも彼が守れなかった命より守った命の方が多くて、皆がそれを喜んでくれている。おかげか彼の正義は綺麗なまま、警官としての心も折れずに残っているようです。

 

・看守長(コング桑田)

監獄を我が者とする看守長。お金での贔屓は序の口、罰と称し笑いながら直接拷問をしたり、気に入らない囚人を嵌めて刑期を伸ばさせる非道な人物。馴れ合い庇いあう囚人に異常に警戒し怒る。トオルと祐二を殺し、それを隠蔽しようとした。罪を犯すような人間は不要と、囚人を痛めつけて喜ぶ描写が多い。祐二に対し穴を掘り逃るのではと警戒していたが、既設の穴…下水管を辿られ囚人達に脱獄されてしまう皮肉な展開。最後は村田に撃たれ、これまでの悪事をすべて本部に報告され引き渡された模様。看守長がそこまで罪人を憎む理由を考えるのも難しいくらいに悪い役ですが、コングさんご自身はとても良い方で、公演期間中のTwitterなどとても楽しませていただきました。長尾くんのお誕生日ケーキの写真もありがとうございます…!

 

看守サイドも色々!迫力があり過ぎる今江くん(今江大地)の看守はパンフレットにはないものの安倍晴明という役名があって、一際看守長を尊敬心酔していてかなり威圧的で囚人に手厳しい看守。有名な陰陽師と同じ漢字。読みはあべはるあき?かな?福井くん(福井宏志朗)の看守は少し看守長のやり方に違和感を感じている看守。どちらもかんじゅ日誌より。看守の中でも看守長に憧れたり怯えたり困惑したりしながらも、逆らうと看守自身にも役職は勿論身の危険があるため従順に動く。

直接は関係ないのですが何故パワハラ上司は世に蔓延り、出世しやすいのかみたいな意見が興味深かったです。確かに、100人中100人の機嫌を取って同意に寄せるのは大変で、圧倒的にその場で力のある1人の機嫌を取る方が簡単なんですよね。そして一時の楽や保身の為に囚人のジレンマに陥りやすい。実は囚人のジレンマこそ、そのままこの「少年たち」のことなのかともぼんやり思ったりしました。

 

青春の光ってなんだろうか。青春は若さと生命力に溢れ青々とした時期。少し無知で愚かでも、何物にも言い換えられないパワーがある時期。それは誰にでもやってくる。やってきていい。勿論今回の主役の受刑者の少年たちにもあっていいものだと思う。一線を踏み越えるきっかけはきっかけに過ぎない。

一度シミがついた布はもう二度と真っ白には戻れない、その看守長のセリフは意味濃い。どんなに周りが許してもその時のシミのついた事実は本人の記憶からは消えないし、逆も然りである。

色々な理由でやってきた新入りたちが刑務所に現れ、事が動き出す。そして勿論元いたものが今に至るまでにも理由がある。自由を望むもの、待つ人のいるもの、夢を持つ者。

望まなかった悲劇の中、守られ残された側の虚しさや痛みははっきりと描かれていました。いやいや、文字に起こすとあまりに祐二の運命が辛かった。君麻呂ちゃんの定点は甘え→絶望→成長みたいな印象なのでまだ見やすかったです。

DV父親のせいでついたという、弱気で人の顔色を伺う自分の性質が嫌いなようですが、逆にそのおかげか、刑務所では気難しく衝動的な囚人に睨まれずにすんで、同じ赤房の面々やトオルには好かれていました。結果的に山森や看守長にまで満場一致で模範生の良いやつと認定されていた祐二とか、そう言えば辛く苦しい時も笑っていたのは拓未じゃなくて、最初から祐二で、この2人も対比だったんだ!とか、公演が終わってから整理しながら気付いて面白いと思った部分もいっぱいあったなあ。

 

2020.4.13追記

劇中、2人という数字が鍵。新入りも2人、亡くなってしまうのも2人、と数が2に統一されているのです。そう考えると看守長を村田が討とうとするシーンで、拓未と潤平が2人で止めるようになった変更点は納得出来る。もちろん他人の為に動けるようになった潤平の心の成長もあるのですが、ここの2人の行動には故人のトオルと祐二、そして皆の思いが共にある。人は自分ではない誰かと接することで良くも悪くも変わるものがある。そしてそれは自分とは違う生命で、他人は他人の生い立ちと未来を持つ。0でも1でもなく2の変化である。勝手なこじつけですがね。自分と他を描ききり、後に判明したことでしたがなにわ男子出演の夏松竹の集大成として、きれいに纏めてきたようで痺れます。気付きがいっぱい。

 

もう少し見ればよかったと思っているのは拓未くんとカケルさんの見せ場のシーン、それぞれの反応。拓未くんは怖くてあんまり見られていないので、もう少しじっくり見られたら、拓未くんの影の部分、弱さがより鮮明に理解できたのかな。カケルさん関連は主に健太とか…親友とか聞いたらなおさら…健太は六郎とニコイチなんじゃないの?と気になってキリがないのです。あ、六郎と健太の仲良しな様子ももっと見たかったです。目が足りなすぎる。

1回目の2017の考察記事につけてしまったばかりに、何か捻らなきゃと何気にプレッシャーな記事のサブタイトルは責…なすべきつとめ の意から。君麻呂ちゃんもそうだし、メインストーリーにも通ずる。決まってからの方が筆が進みました。それぞれの役には文字通りきちんと役割があってね、書いてたらみんなだな!と思ったので。全部大事だからびっくりするほど説明を省けるシーンがなくて、個人考察よりストーリー紹介が多く鬼門でした。至る所にいろんな対比が落ちています。結末は結末として逃れられないものだけど、誰の道が正解などとは表現し難い。それぞれにそれぞれの不幸と、拠り所や宝物、幸せがある。そして全てを知らない観客だからこその、なんというか語られない余白部分というか、不透明さが好きなんです。

 

見たものを好きと思えた時に、今までの私が今の私を更に楽しませてくれます。苦悩や諦めたこと、費やした時間を無駄と思う事はあっても、その時自分がそうしたくて選んだこと、目や耳に入れたものはちゃんと糧になるのだと、多方面で色々なものに教えてもらう日々です。そしてやっぱり役者さんや裏方さん含め、創り手の方々はすごいなあとしみじみ思います、こんなの感情移入し続けたら精神持たないって…。

 

去年より目に見える範囲だけでもさらに沢山の方々に携わっていただいて、そして関西Jr.のいろんな子が自分の役やこだわりについて教えてくれたり、語れる場所を設けていただいて、お芝居楽しかった!やりがいあった!演出家さんと相談できた!の声が聞けて、作品のファンとしてもタレントのファンとしてもとっても幸せで胸がいっぱいです。賛否の声があったのは知っていますが、私は大成功かな!!って思います。

公開のタイミングや、感想文としての形を保つ為引用の割合などは調整しているつもりです。作品の権利を持っていないので、ご指摘受けたら秒で消える最弱ブログになります。…ちょっと自分でもやりすぎた感が否めないので怯えています泣

 

目の届く範囲は拾っているのですが、折角の発言や視覚情報取りこぼしてたら本当にごめんなさい。個人収集なので限界があるのです…。ミスなどは恐らく見つけ次第こっそり修正かけてます。(進行形)

長尾謙杜くんは舞台本編の役名のある役の他に、本編後のショータイムの衣装を担当しているのですが、これまた天才!

既出の衣装の他に、新調品のデザインにも関わっているようなので、

気になる方は、「なにわ男子 アオハル 衣装」とか「まいじゃに Lilかんさい Lilmiracle」※辺りで是非調べてみてください!!

※これに関しては長尾くん、Lilかんさいからの発言がなく、大西流星くんからの間接的なものしかないのですが、携わったっぽい…?

ショータイムの構成は道枝駿佑くんが担当したそうで!

 

長ったらしい記事でしたが、

☆なにわ男子の初主演、関西Jr.の夏の松竹座が熱かったこと

☆本編は演技一本の深い内容で、スタッフさんに恵まれ大切に作っていただいたこと(本当にありがとうございます)

☆長尾くんの演じた大田原君麻呂はかわいい

☆ショータイムは構成道枝、衣装長尾が担当

だけ、覚えて感じて読了していただけていたら嬉しいです!

 

この度は作品やタレントの名を借りた1ファンの好き語りにお付き合いくださりありがとうございました。是非ともなにわ男子、関西Jr.を今後とも宜しくお願い致します。

 

抜粋引用、参考にさせていただきましたm(_ _)m

☆舞台 少年たち 青春の光に… パンフレット

言わずもがな

☆月刊TVfan 10月号

10年前の舞台について

☆BESTSTAGE vol.133

拓未、君麻呂、村田が変えていく部分

☆STAGEnavi vol.35

オススメ。なにわ男子のみ コング桑田さんとのコメントやりとり、公演中盤個人インタビュー

☆STAGESQUARE vol.40

オススメ。演出家さんインタビュー

☆DanceSQUARE vol.34

丈今古陸対談

☆web 連載 日刊なにわ男子・かんじゅ日誌 各個人

他にも取り上げてくださった各誌にもたくさん写真が御座いますので、気になる方は是非。

 

常にキャパ増と公式本編映像化、心から願っております…。出来がいいのにもったいない、受注生産とか…ないんですかね。

絶対なにわ男子、デビューしようね!言霊!

→2021/11/12(追記)

デビュー、おめでとう!!!!!!!

 

ではまた、言葉にしたい何かがあったときにでも。

 

以下絵メモ ◎2020.4.18追加

f:id:knknpa15love:20200418221801j:image

一夏の茶髪がとても可愛かったです。本物はISLAND TVの長尾くんお誕生日動画などで確認できます。

 

2020/5/3 一部変更、出典明記

2023/1/6 一部変更、旧奈良監獄についての表記変更、URL追記

2023/10/2 一部修正

その演出は、願いにも似た。-光を追えるうちに-

関西Jr. 松竹座夏公演「少年たち 青春の光に…」も残り公演が少なくなってきました。なにわ男子が座長になった初めての夏、あまりに多忙すぎる夏、どうか無事に千秋楽まで駆け抜けられるよう祈っております。

 

そもそも松竹座の関西Jr.の舞台…内部(制作)舞台、とも呼ばれるものって何?少年たちって何?囚人?桶ダンス?と、自身の整理のためと独特の文化をマイルドにしたくて、それと、やっぱり沢山の方に興味をもってもらいたくて、去年こんなものを書いてました。

http://170815snow.hateblo.jp/entry/20180826/1535291046 

無名の書く僻地のブログにも関わらず、この記事が急に先日アクセス数上がってびっくり。んでもって、なんとなく今年も期間中のうちに似たような記事を書いてみよう!といった気持ちの運びに。

主観しかない本編考察は千秋楽後にまたできたらなあと思っています。

(↓2017公演分)

http://170815snow.hateblo.jp/entry/20180701/1530422355

(↓2018公演分)

http://170815snow.hateblo.jp/entry/20180914/1536850801

 

あくまで素人一個人の感想・解釈であり、事務所や実際の作品や公演、制作側・出演者の意図とは一切関係ございません。あくまで素人一個人の発言です。

 

また、舞台については公演中のため本編の登場人物やストーリーに関する記述は極力控えていますが一部ネタバレは含まれますので観覧は自己責任でお願い致します。誰がどんな役、何をするは詳しく書いてません。

 

これだけ書いても面倒がらず読み進める方は当ブログの趣旨をご理解いただけているかと思いますが…。

 

今年の夏、松竹座で8/30迄公演中の「少年たち 青春の光に…」は近年の舞台のテイストとは違い、たのしくやさしいエンターテインメントじゃなくがっつり舞台でした。舞台作品+ショータイム構成。外部舞台の為に演者も客も慣らす意図とも取れなくはないほど、独特の要素がなくなっています。今までに慣れてしまうと、劇中息つく間もないのでしんどい部分はあるかもしれません。私は全然好きなので割と受け入れられてます。結局好み、フィーリングですのでその目で是非に。

 

【近年との大きな変化】

・それぞれ役名があり役名で呼ばれる。今は頻繁に聞かない名前を持つ少年が多いので、分からなければ是非パンフレットをお買い求め下さい。今年も読み応えはバッチリでした!

・囚人服がつなぎではない。が、赤房と青房など色での区別は健在、上下バラ。

・日替わりギャグパート少なめ。一般的な外部舞台並み。

・南の島にはいかない、雪も見ない。何箇所か歌は歌う。

・おなじみの曲はBGMとして流れるのでおっここでこれか!という楽しみ方も。

・セットを自分達で動かす。これはなかなかいい。転換が例年ぽくない。おしゃれ。ベッドになったり格子になったり机になったりするアレすごい。説明し難いけどすごいんです。

ガラケーとちびっ子わらわら(見ればわかる)

雑居房のトイレは洋式。君麻呂ちゃんかわいい。

 

【注意点】

悲劇が悲劇を呼ぶ。終始明るい話ではないです。暴力表現や怒声、感情や精神乱れるシーンを含みます。

銃声、今年から一瞬血糊注意。個人的感想としては去年の方が見る側にも本人達にも救いがあり、今年の方がことの運びや台詞回しが凝っていて、舞台作品としてスマートで格好良いです。色んな方と考察ぶつけ合いたい。

舞台本編のみ花道・通路使用有り。舞台ですので上演中の演者への声掛け、接触は禁止です。初めての方も場内アナウンスに従い、普通の観劇マナーを守っていれば問題ありません。松竹座は狭いので距離が近くで嬉しい気持ちはもちろんわかりますが、舞台本編での前のめりと歓声だけはぐっと堪えていただけると。

通常ショータイムでの客席降り、花道使用はありません。

 

私が気になったのは、演出に近年よく見られるものがなかった点。…間に合わなかったのか、敢えて変えているのか。

今回も人が犠牲になる描写はあるものの、花は地面に刺さらない。十字でも運ばれない。悲劇的表現で人が落ちる描写がない(演者の転落するような演出がない)点です。

ここ3年、しっかり使用してきた十字運び(この名称で伝わるか?)と落下表現。それが今回なくなっていたのでびっくりしてます。

2009年のTough Weeds、2015年関西少年たち、関東Jr.のものは未履修です。えびきすの少年たちは、友人宅でDVDを観た遠い記憶があるくらい…。映画は見ました、しかし別に作品「少年たち」や舞台班のヲタクなわけでもなく…。なので、なんとなーくで緩く読んでいただけたらありがたいです。

しかし調べれば調べるほど、映像化しているものだけでもかなりの舞台や公演で人が落ちる。製作サイドが落ちる演出を組んでいました。所属タレントの今後のためにスタントや演技経験を積ませたい意図もあるのでしょう。

若き少年や子供の危機・友人や兄弟、仲間の死がほぼイコール悲劇であり、人が亡くなった場所に花が刺さる演出や、亡くなった人をみんなで運んでいくのも私は好きではあるんですけどね。表現されるものとしては運の悪さ、争いの犠牲、自分の弱さ、どれも一時代の悲しみの形のようで痛ましい。

「落下」は大概悲劇や当事者の意に反した世界に放り込まれる状態として機能します。別に演劇や映像制作に関わらず詳しくなくても、落ちる、落下することやその単語に対するイメージはマイナスなものが多く想像が容易。落ちることはよくないことと刷り込まれてるのは生命を維持するための危機意識から…話が逸れそうなので戻します。

今回の少年たちは、劇中誰一人として「落ちない」のです。正義や理不尽に殴られても、銃弾に倒れてもその地から落ちて消えることはありません。逆に全ての事実がステージ上にあり、逃げ場のない怖さもありますが、罪から逃げず、誰に担がれることもなく最後まで自分の意思で世に立つ少年たちと、ステージに立つ本人達の姿が重なりかなりグッと込み上げるものがありました。

 

夢に向かって一歩一歩。どんなに悲しいこと、苦しいことがあったとしても、暗転するまで、装置が回るまで、袖にはけるまで、幕が降りるまで、その足でステージを踏みしめ、歩み、時に倒れても姿を残せ。Show Must Go On!

誰かからの今回の演者への想いなのか、偶然のお話で私の都合のいい解釈でも、私の中ではこれが!期待や願掛けのようで美しく見えて!しょうがないんだ!!って事を書きたかった。言葉足らずで伝わらなくても満足です。我ながら勝手だわ。

 

気になりましたら劇場でご覧いただきたいんですが、大阪松竹座でしか公演がない、そしてチケットが完売しているため気軽に行けない所がどうかしてる…

と、いうことで、

見返せるDVDが一番いいけど、配信でもいい…本作品映像化に関しましては今年もどうか関係各位宜しくお願い致します…。

コンサートや舞台は所謂現場…会場や劇場でみる臨場感もよいものですが、気軽に見てもらえる配信や、他の作品と見比べたり、見たい時にいつでも見返せる円盤化は他に変えられません。

もちろん私自身も頑張りますが、国内外問わず、未来のファンにも、沢山の方に見ていただくにはやはり映像の力に勝るものは無いので、映像化に関しては有志の皆様、お力添えの程宜しくお願い致します。受注生産で良いから!!!

 

〜、これが限界です( ;  ; )

臆病ものの私でも、言葉に残したくなる感性に響くものを見せてくれてありがとう。毎年表現させてくれてありがとう。

長尾くん個人もなにわ男子も、関西Jr.も、更に活躍できますように。

長尾くんを見ていると、もれなく劇中とショータイムの某曲のえげつないギャップにやられます。機会がある方は、是非食らってみては。おいでませ長尾沼。

 

お付き合いいただき、ありがとうございました。

※8/26 微妙に誤記、語弊がありそうな箇所修正しました、すみませんm(_ _)m

2023/10/2 一部修正

 

俺スカ 10話 私的感想メモ

日本テレビ系土曜22時放送済オリジナルドラマ

「俺のスカート、どこ行った?」

について感じたもの思ったものの殴り書き記事です。一個人の主観なので、異論や文句はお断り。もしかしたら誰かの思想や心の地雷に触れてしまうかもしれませんが、「本作を私が楽しむため」以外の意図は御座いません。

なんらかの形でこのブログを見てしまっている方へ。私はなにわ男子・関西Jr.の長尾謙杜くんを主に、事務所を贔屓にしている素人です。その点ご理解頂いた上で読んでいただけると助かります。

〜9話分は、タグより。

少しずつしか書けず、更新遅れて申し訳ございません。

 

10話は、つきたい嘘と優しい矛盾、男の秘密。間違いの許し方。嫌な事の考え方。言葉と人の想いの、時に無茶苦茶な魔法について。

終わってしまったー!!!

ラストは、いい意味で一周回って1話との被せが多くて見ていて楽しかったです。色々書いてきましたが、最後は良い意味でフィクションらしく締めてくれて後味もよかったです。

 

あらすじは公式サイトより!(自分で書かない味をしめた)

https://www.ntv.co.jp/oresuka/story/

 

やはり辞めてはいなかった矢野先生。図太い…。原田先生がいたなら受け入れただろうと職員達も初めは苦い顔をしつつも受け入れます。2年3組の生徒達との描写はないので生徒に受け入れてもらえたのかは分かりませんが、和気藹々とした職員室での職員達の空気感は一度間違っても許してもらえる場所を作ってやると、3話で光岡に原田先生が言った言葉そのままの形でほっこりしました。折角間違いを許される場所があったり生み出せたとしても戻る側が後ろめたくなってしまうことも多いから、いっそ矢野先生くらい環境に甘えても良いのかもしれないですね。そこに居たいと願って戻れど後ろめたいと感じたなら、甘えられたり許された分だけ人のそれも受け入れてあげたら良い。下の世代に求めるなら、自分達が率先する。原田先生が居なくなっても、原田先生が変えた部分が活かされていてステキです。

今回東条が本当にかわいい。軽率に自分の考えついたまま発言しなくなったのは、明智や若林とのやりとりで痛いほど分かってしまったから立ち止まれるようになっている成長点と、原田先生と2人きりになった時にポロポロこぼす願いと怒りが混ざったような発言が可愛くて仕方ないです。体育祭も修学旅行も原田先生と行きたい素直な東条の頭を抱えて涙を外に見せまいとしてくれる原田先生に惚れる。東条はずっと素直な根は献身の子で、自分の好意的な誰かの為に考えたり動ける男の子だった。でもコミュニケーションを間違えたり、不器用で勘違いしやすいけど、最後の読みは当たっていましたね。反省もできるし、原田先生のお陰で自信を失うことなく良い方向に変われたのではと思います。

子供だの大人だのは関係なく、何でも相談してねと言ってくれる人は何か大変な事があった時、大概話してくれない。それは相手からしても話しても心配を掛けるだけで何にもならないし、実際話したところでどうにかなったり何かできるわけではない場合も多い。それでも教えて欲しいと願ったり、隠されると信用がないようで悔しいのはこちらの都合だし、隠す側にも事情とプライドがある。結局どちらに転んでもモヤモヤする。私自身が、心配かけてかつ二度と会えないとするなら静かに消えて恨まれるくらいで良いという思いもあるし、大事な家族や好きな人達に優しい嘘をつかれて置いていかれる側だったら当たり前に悔しいし、やるせない。勝手だが、その選択ですらその人「らしさ」であることは間違いなく、日々を共に過ごしたり、心的距離が近ければ近いほどそれは痛いほど分かります。

里見先生と原田先生の恋?の結末…保健室での2人の会話も深くて良かった。人生、嫌なことの中に良いことや好きなことやものを置くのでは無く、良いことや好きなことの中に嫌なことや我慢を差し色として添える。我慢できるものを選び、好きなものに囲まれようという素敵な考え。そういえば原田先生はいつもカラフルな服、里見先生はいつも真っ黒な服を着ていたことも、台詞のファッションの例えと繋がってきて。遠回しな告白と遠回しな断り方が、報われないけど綺麗な憧れのような恋を飾っていて素敵でした。振られちゃちゃいましたね里見先生。この恋も健気で死ぬほどかわいかったです。見ました?最後の、布団にぼふっ!って身体埋めるあれ!!泣いちゃったのかな…。

田中先生は最後まで愛しいヘタレでした、佐川先生とは一年後もさほど進展がないようで。ここもくっつかない!というか、本編中恋が叶った登場人物庄司先生くらいしか居ない!結構カップルになりそうな男女がいたのに!みんなの恋愛フラグ、どこ行った??でもハッピーエンドだからいいか…。

ある意味これは、恋愛至上主義な風潮へのささやかなるアンチテーゼにも取れると気がついたのは放送から時間がだいぶ経ってからでした。(2022.1追記)

手作りの卒業式の発想は本当に可愛いし、先生への愛が溢れた教室は素敵でした。それぞれの卒業証書の画像は公式Twitterさんから見られますので是非。

そしてまさかの屋上飛び降り再び。自分にできないことは人に望まないだろうと、若林が成し遂げた命知らずダイブを今度は原田先生自身に生徒達が促します。「一度死んだようなもの」にして余命をリセットしちゃおう。ヤバい先生の生き様を見た生徒達は、ヤバい生徒達になりましたとさ。願掛けのようなそれでも、若林は人生が変わってしまったし、説得力もなかなか。飛び降りたら案の定カツラが取れ、クラスの笑顔に囲まれる。2年3組の生徒達に名前を呼ばれ続けながら、原田先生は学校を後にしました。

校長先生の言うダイバーシティについては、校長先生の言葉の通りだと私も思います。個人の権利が尊重され、許容されるからこそ難しいものも多いですが、多様化の時代こそ相互理解と協力が必要なんですよね。皆身を置く環境が違うから、許せるものと許せないものを全て善と悪にはっきり分けるのは難しいです。間違っていたとしても信じてきたものや努力を否定されたら辛いものですし。

明智・東条・若林は絶妙なトライアングルでした。明智と若林の2人の違った孤独と、孤独が得意ではなく1番心乱されたであろう東条のバランスよ。家族に振り回されて生きる為に賢くならなくてはいけなかった明智、いじめられながらも学校に辛うじて通い続けていた若林。3話で若林は2話で明智が原田先生にしたように対面で戦線布告をするし(明智の圧に負けて失敗するけど…)、以後若林は特に学校側にチクるわけでもなく。黙ってくれた事への気持ちなのか、明智も若林の女性関係を心配までしてたかは分からないけれど、気にかけてくれたり。なんとなく、孤独と自立という点では明智と若林は似ていたなぁと思っています。東条は逆に、意思の強い?頑固?な2人の間に挟まれて振り回されてしまいました。彼はとても健全にイライラモヤモヤしていたなあと思って微笑ましく見ていました。うまく使えてなくて、人の為を思うと自分を苦しめるばかりだった感情と感受性を最後にはちゃんとコントロール出来るようになって良かった。描写的には明智が頭一つ抜けてはいるものの3人とも誰も我慢が重なり人を憎み恨むような子にならなかったのは原田先生のおかげ。だからといって文句や愚痴を言うなとは言わない、大人も子供も良い人良い子になる為に自分を捨てない絶妙な理想形。性別だけじゃなく価値観や感覚の多様性も抱きしめるようなやさしいお説教ドラマでした!

 

俺スカ1・2話の脚本目当てに、映人社出版「月刊ドラマ2019年7月号」を購入させていただきました。長尾くんが読み込んだであろう台詞や動作の書かれた台本を手元におけるなんて幸せの極み…失礼しました。1話の映像では採用されていないやりとりもあるので、興味のある方は是非ご購入されてみては!!作品にする過程の試行錯誤がほんの少し見えて、貴重なものを拝見させていただいた気がします。そしてなにより、自担と同じものを読める幸せよ。貴重なものをありがとうございました!

https://www.amazon.co.jp/dp/B07RP4VGSN/ref=cm_sw_r_cp_awdb_c_LCKeDb1QFGFRR

俺スカの円盤はこちら!

日テレ屋

https://www.ntvshop.jp/shop/c/coresuka/

※アフィリではなくただのリンクです、私のお小遣いは増えませんのでご安心を。

 

その他にも松竹座やさいたまアリーナで告知をしてくれたり、沢山の番組で長尾くんを見られたり、雑誌にわんさか掲載頂いたり本当に嬉しいこと楽しいことだらけでした。

 

総括、このドラマのおかげで、人生が変わりました!!みたいな格好いいことは嘘でも言えないんですが、二十歳過ぎて毎週ドラマを気合いで全話リアタイし、自分の感性と向き合い感想文を書き出す日々を送るとは思ってなかったとだけ言わせてください笑 

細かな部分を間違えておりましたら、偉ぶっておいて間違えてやんの!とでも笑ってやってくださいね。文言が幼稚な部分は諦めて泣。無知が無理をして、アクセス解析の数字に怯えながら暮らしているので、どうかお手柔らかにお願い致します。

でも、期間中はブログを毎日沢山の方に見ていただけて嬉しかったです。何かあればTwitterアカウントに直接DM頂けますと幸いです。

 

世間の言う一貫性やなんてなくていい。暴れてウィッグが外れてもいい、朝着ていく服が見当たらなくて焦ったりきていく服に散々悩んで定刻ギリギリの全力ダッシュ、間に合えばいい。恥ずかしいものは何一つない。教師という職業の為に自分を捨てず、他人も見捨てない。言いたいことは言い切るし機嫌が悪い時や嫌いな人間には怒鳴るし怒るしゴシップも好き。でも好きな人や守るべきもの、作中で言うなら生徒には向き合い愛し濃く生きる、原田のぶお、かっこよかった。

ドラマ「俺のスカート、どこ行った?」間違いなく激ヤバドラマでした!!毎週楽しく見させていただきました。

 

…日常的に使う、動くはずもない静物に対して、「どこか行った」って日常的に擬人法使うの面白いですよね。ちゃんと伝わるし。日本語の話し言葉ってかわいい!

私は、自分の意見や思いを言葉には出来ますが、人に伝えるという行為がとても苦手で、何か口を滑らせて問題になるくらいなら何も言いたくない人間です。だって何かできるか、って言われたら何もできないし、リスクを負ってまで何かやりたいとなんて思わない。のに。作中のセリフにもありましたが、周りの他人の反応にばかり怯えて、悪目立ちしそうだし死んでもやるもんかと思っていたことが出来てしまうくらいには1人のアイドルを応援してしまっています。人に何を言われても、言葉に書き表したい、自分の感性を残したいことがある。良い大人のくせに、これが正しいものか、間違っているのかは分からないけれど好きに話せるのは嬉しいことです。ブログなら読む読まないは読む側の貴方の選択な訳だし、無理矢理人の時間を奪う事もなく対面で話すより気楽だし。

長尾謙杜くんや関西Jr.のパフォーマンスは私に言葉を形に残す少しの勇気をくれました。そして俺スカは、私に人の暖かさと伝える難しさを教え、世界を少し広げてくださいました。

 

また何か書きたくなったら現れます。皆様、放送期間中お付き合い頂きありがとうございました。

繰り返し書きますが、ここは一個人のファンブログです。何かをきっかけに読んで下さいました皆様もどうか、なにわ男子と、俳優長尾謙杜を今後とも何卒宜しくお願い致します!!

俺スカ 9話 私的感想メモ

日本テレビ系土曜22時枠 オリジナルドラマ

「俺のスカート、どこ行った?」

について感じたもの思ったものの殴り書き記事です。一個人の主観なので、異論や文句はお断り。もしかしたら誰かの思想や心の地雷に触れてしまうかもしれませんが、「本作を私が楽しむため」以外の意図は御座いません。

なんらかの形でこのブログを見てしまっている方へ。私はなにわ男子・関西Jr.の長尾謙杜くんを主に、事務所を贔屓にしている素人です。その点ご理解頂いた上で読んでいただけると助かります。

〜8話分は、タグより。

 

9話は発信の自由と影響力。情報を操作し成り上がる者と苦しむ者、盛り上がる第三者の皮肉。地位と名声、大人とは。正義とは。家族の形とは。「自分」の気持ちと「相手」の答え、憧れ・期待と妥協。時代の変化と偏見を絡め、人と向き合い続けた原田先生の名誉を守り、真実を伝えるべく世の風評と戦う教師達と生徒達の回。

お話についてはとても素敵なあらすじと振り返り動画が公式サイト出てるのでそちらで見てください。あと最終回のリアタイ視聴もぜひに!(本当に時間がない泣)

https://www.ntv.co.jp/oresuka/story/09.html

 

原田先生、やっぱり人間らしくて好きだなあと重ね重ね思った回でした。学生時代に自分と向き合ってくれた先生の後ろ姿を見て、一度は個性を尊重する指導をする教師を目指したが、生徒にナメられて「先生いじめ」の対象になってしまう。それもあって、1話のあのやりとりがあると思うと!世間からの偏見に耐え、同じ傷を抱える女性と世間体の為に結婚する。男女の関係になる事はなかったが、養子をもらい家庭を築いた。奥さんは8年前に先に亡くなったが、幸せな仲良し家族だったと語ります。死ぬまでにやりたい事ノートも、元は恩師が書き記していたものだった。恩師に挨拶に向かった際、仏壇の前にあったノートの出来なかった事が目にとまる。そしてまた原田先生も、死ぬまでにもう一度先生になる事を志すようになったと。

原田先生が皆に伝えた言葉や生き様は、原田先生が欲しかった言葉ややりたかった事、そしてそれに加えて、人から貰って嬉しかった言葉や気持ち。余命を得て、限りがあるからこその無敵感を思うように使い、自分の為が人の為になっているので、期待通りに事が運ばなくてもあっけらかんとしている。幸福な自暴自棄だ。

今回は長井先生もカッコいい。凝り固まった思考や人を苦しめる常識をパンチで壊すのが原田先生なら、ルールをつくり規律を守り足並みを揃えること、努力や経験で人や自分を守ることが得意なのが長井先生だ。2人が理解し合えたら、軽率な言い方だけど「最強」なんですよね。自分のできることをする、7話の言葉が効いてくる展開。

今回の黒幕の矢野先生は、キャリアの長い自分が校長になれず、その上新任の原田先生も学校内で地位を築き始めているのが気に入らなかった。自分は謙虚に従順に組織に従ってきたのにと、嫉妬の感情から原田先生が問題行動を起こさないか見張っていたところ、明智と原田先生のボクシングジムでの映像を手に入れる。寺尾校長から校長の役職を奪い、原田先生を学校から追い出すべく動画を投稿した。結局は不慣れな事をした為に映り込みにより犯人とバレてしまいました。粗探しをして揚げ足を取ろうとしたところ、自分も詰めが甘く足元を掬われてしまったといった所でしょうか。矢野先生の気持ちが全く分からなくはないんですが、自分の都合で人を貶めるような事をしたら思わぬものも敵になるかもよ、という教訓かなと思います。生徒から信頼を失ったら、教師としての居場所は無くなりますからね…ここはかつて生徒に睨まれた、若かりし原田先生の画との対比かなとも思わなくなかったり。結末と中身は全く違うけれど。人望の差を突きつけられた矢野先生ですが、辞めてはいないようなので最終回はどうなるのでしょうか。ここも気になります。

1話の若林の飛び降りの際に、面白半分で牛久保達が交わしていた「ネットにあげたら面白いんじゃね?」みたいな会話台詞がここに繋がるとは。彼等は自分達が一度考えた発想で、結果自分達を認めて世論や大人の毒から助けてくれる担任の先生を失いそうになるんです。当時は分かり合えてなかったとはいえ、巡り巡る言霊こわい。

そして、いとちゃんの元彼の安岡が度々自己紹介の度に語るグレーについて。原田先生のグレーは、白黒つかない曖昧という意味のグレーだけではない。原田のぶおという1人の人間として、色んな過去や感情、染まったり染めてきたカラフルな色が混ざった綺麗な「グレー」だった。そして、グレーな自分を色鮮やかな服やアクセサリー、メイクで飾り、世を闊歩する。それがきっと原田のぶお。最初キャラクターやインパクトの為とか、綺麗事とか言ったり思った自分は一発殴りたい。とてもとても、色んなものを背負い、丁寧に作られた主役だなあと。

長尾くんの連ドラ初出演が、「俺のスカート、どこ行った?」で本当に良かったと思います。署名を集めに俯かず爽やかに駆け出す若林くんの背中が綺麗でした。

 

真面目に毎週連続ドラマを見る機会なんてなかなかないので、しばらくロスに苦しみそうです…。

 

ではこれからいよいよドラマ10話、最終回!一緒にリアタイして行きましょう〜〜!TVの前に待機!

土曜22時は!俺スカ!

俺スカ 8話 私的感想メモ

日本テレビ系土曜22時枠 オリジナルドラマ

「俺のスカート、どこ行った?」

について感じたもの思ったものの殴り書き記事です。一個人の主観なので、異論や文句はお断り。もしかしたら誰かの思想や心の地雷に触れてしまうかもしれませんが、「本作を私が楽しむため」以外の意図は御座いません。

なんらかの形でこのブログを見てしまっているいわゆるジャニヲタ以外の方へ。私はなにわ男子・関西ジャニーズJr.の長尾謙杜くんを主に、ジャニーズ事務所を贔屓にしている素人です。その点ご理解頂いた上で読んでいただけると助かります。

〜7話分は、タグより。

先に謝ります。各々の女装が可愛すぎて、何度見ても冷静に見られません。いつも以上に勢いのまま失礼しております。

綺麗な男の子達が女装するインパクトのある予告とCM効果で、8話で本作初めて見たよ!って方も多いのではないでしょうか…?私も私でかわいいかわいい女装を楽しみにし過ぎて1週間がやたら早かったものです。

 

8話は告白。打ち明ける勇気、受け入れる勇気。共有、アイデンティティ

掴みを強くしただけあり、原田のぶおという人物がゲイで女装家というキャラクターの上で、先生として伝えたい言葉を光岡に伝える回。性別と趣向に悩める時、一番欲しい存在と言葉になる。…台詞の内容については、本編を見て欲しいのでこのブログには書き出しません。

原田先生自身と、光岡と今泉、光岡の主張がメイン。光岡と今泉の対比なのか、臆病な田中先生も頑張ります。あとは冒頭から女装(メイクなし)という爆弾をかまされ。発端は文化祭の出し物決め、色々な案が出る中、名指しされた若林が捻り出した「のぶおの働いているお店」=女装・男装喫茶の案が通る。嫌々ながらもミニ丈ワンピースで頑張る東条、始まってみたら意外とノリノリな明智と若林。思うことがある光岡は、原田先生を呼び出し、秘めたる悩みを打ち明ける。生徒達は文化祭当日が原田先生の誕生日だと知り、バースデーサプライズを企画。生徒達に誕生日を祝われた原田先生は、自分の秘密を生徒に伝えることを決心しました。文化祭当日、2年3組の売上は上々。また、クリア出来たら告白が成功すると話題の他クラスのおばけ屋敷の話題もあちこちであがる。今泉は光岡を誘い、おばけ屋敷を無事突破。告白しようとしたのだが…。

東条。予告でもその美しい白肌の長い四肢をここぞとまで見せてくださっていた東条。所々あざといアングルで撮られたりそこに東条くんの肩や脚必要ある?って場所で白肌カットインしてて、こらこら!!()満を持した動画媒体の道枝くんの女装初披露は最高のものになりまして。駒井くんを筆頭にいつメンにイジられたり、ちょっと馬鹿だったり、想いを寄せる男装した川崎ちゃんをおばけ屋敷に可愛く誘って振られたり、飲み物をこぼしたり愛しいところも満載。予告にもあったノリノリな明智にツッコむ部分は広田先生意識らしいと、Johnnysweb連載の日刊なにわ男子2019.6.10の道枝くんの更新にて教えてくれています。

若林。私の大本命のメイドさん。エプロンこそハートだけど下のスカートがあざと過ぎない部分が清楚なお仕えのメイドさんで堪りません。長尾くんは安定の黒髪ボブウィック、本当に可愛い。原田先生に誕生日サプライズをする際、カップケーキのトレイを持ってくる姿が様になり過ぎていて。東条がこの時「女子と若林が作った…」と言っているので若林は女子に負けないレベルでお菓子作りが出来るらしい。当日もドジっ子東条ママのサポートしたり、可愛らしく接客していました。わん!にやられた人、はーい!!永瀬廉くんも朝の番組でかわいいと褒めてくださり嬉しい限り。

明智。もれなくシンデレラガールにされてしまった明智。冒頭の衣装合わせでは目が死にかけていたが、始まってみたら3人の中でも一番ノリノリ。1話の自分の想定外のことに対する余裕の無さから、今ではお茶目ができるほど他に心を許したのかと思うと涙が出ます。原田先生に駆け寄るシーン、衣装のせいで走りづらい他ないんですが、スカートを持ち上げる所作がどうみてもお姫様でとんだシリアスブレイカーでした。両サイドの東条と若林は比較すると男っぽい走り方をするから、尚更。

そして今回のストーリー的重点その1、光岡。実は女の子の格好がしたかった事、明日から女子の制服で通う事を全校生徒の前で宣言します。まさか3話で原田先生が自宅に置き忘れたイヤリングがまた別の伏線だったなんて。思い返してみれば女子ばかりと一緒に居たような…!少しのきっかけで足が遠のいてしまう程の学校という集団行動においての微妙な居辛さも、男子としてそこに佇む自分に対しての違和感が理由だったのかも。原田先生と二人きりのシーンには、秘密を共有する生徒と先生の信頼と、先生からのステキな言葉が。

そしてその光岡に想いを寄せる、今泉。3話でも光岡を心配してノートを貸したり、視聴者からみても良い感じになっていた今泉ちゃん。お化け屋敷を突破して掴んだ告白成功の御守りを握りしめて二人きり、光岡に告白しようとした時、光岡本人から自分の趣向に悩んでいた事と今日の主張大会で宣言しようとしていることを打ち明けられます。…男が好きなの?と問うもまだわからない、と返される。光岡から今泉だから話せた、ありがとうと伝えられた今泉は、この日、光岡の信頼を得て、理解者になることができました。しかし、恋人にはなれなかった。光岡が買い物に出て一人になると失恋に泣く今泉ちゃん、戻ってきて泣いてる今泉にびっくりする光岡。拗ねる今泉ちゃんが不憫可愛いです。今泉ちゃん天使なので幸せになってもらわないと困る!私が。

ストーリー的重点その2。原田先生はやはり病気持ちで、宣告された余命をとっくに過ぎていることを主張大会で宣言する。体調が優れなくなりいう他なくなった…が正しいかもしれない。死ぬまでにやりたいことをスケッチブックに書きチェックをつけていること、そしてこの学校にきて出来たことを告げた。主張が終わると先生を探して駆け寄ってくる生徒達に優しい口調で隠していた事を謝る。2話の昇降口、以前の2人と重ねるようなシチュエーションで明智が賭けを提案。異なるのは、明智の周りにクラスメイトがおり、明智も原田先生も丸くなっていたこと。賭けの内容も、先生を辞めさせるかではなく、明智の願いのようなものに変わっていました。

明智回で正直クライマックスは過ぎたと思っていたところに、設定を綺麗に生かす言葉を食らった。これは確かに色んな歴代教師主役のドラマの先生が同じ台詞を言っても、原田先生のものだけ一味違うなと思いました。理解だけじゃなく、同調してくれる存在は、どれだけ心強いことか。3話からずっとフラグ立ちまくりだっただけに今泉ちゃんの恋は辛くて辛くて。完全な失恋じゃないところがまた、ね。度々挟まれた原田先生の薬とスケッチブックの謎も本編でいよいよ明かされましたし。後はもう放送済みの9話にもリンクしそうな部分を見つけたので、また頑張って言葉にします。

スースーすんだけど、と言った東条の足を思わず見る明智と若林とか、駒井くんとのやりとりとか男子高校生ノリが愛しかったし、もうイケイケ男子グループにしっかり居場所がある若林にグッときたり、各々カロリー馬鹿高い。デカ盛りスイーツを食べている気持ちになりながらもがんばりました。甘くてかわいいBARのぶりん。とんだ胃もたれ回。

 

一周遅れ常習になっていて申し訳ないです…。今回もありがとうございました。

終わっちゃうのやだな、手違いで11話から先も制作されないかな…。生徒達のミニドラマも全部可愛いので、DVD-BOXとして製品化される際は是非収めていただきたい!ゴリ学2年3組を語るには10話じゃ足りないのです…泣

 

では最後の最後まで、

土曜22時は俺スカ!

俺スカ 7話 私的感想メモ

日本テレビ系土曜22時枠 オリジナルドラマ

「俺のスカート、どこ行った?」

について感じたもの思ったものの殴り書き記事です。一個人の主観なので、異論や文句はお断り。もしかしたら誰かの思想や心の地雷に触れてしまうかもしれませんが、「本作を私が楽しむため」以外の意図は御座いません。

なんらかの形でこのブログを見てしまっている方へ。私はなにわ男子・関西Jr.の長尾謙杜くんを主に、事務所を贔屓にしている素人です。その点ご理解頂いた上で読んでいただけると助かります。

〜6話分は、タグより。

 

7話は明智が今の明智になった理由。父と子。ひとりの強さと脆さ。トラウマの根深さ。前回に続き、親子の「犠牲」について。心閉ざした明智が差し伸べられた救いの手や善意の同調を肯定できるようになるまでのお話。たった1人の家庭の問題に苦しみ荒れる男子をクラス全体で守るという理想。こうであったらいいのにな。

明智の父は会社を経営しており、中学生の頃はごく一般的で平和な家系だった。家に来る税理士に好きなサッカーを習い、無邪気に笑う明智。しかしその税理士はのち明智の父の脱税を摘発し家庭の雲行きが怪しくなる。荒れて酒に逃げる父親に声を掛けた明智は殴られ、止めた母も殴られる。父からのDVが始まった。明智の母は耐え切れずある日200万を入れた封筒と手紙を置いて家を出た。母の気持ちも察した明智は母を庇うが、殴られ手紙を取り上げられてしまう。カバンの中に残った200万の封筒を持って明智はひとりになった。脱税か、DVかは不明だが刑期を終え出所してきた明智の父は、再起するための資金源として息子の持つ200万に目を付けて集りにきたのです。自分の現状を周りに明かしていない明智は勿論学費や一人暮らしの家賃に使ってしまっており、それを知ると父親は学校を辞めさせ息子に自分のために労働を強いる。長井先生が退学届の件で父親と面談するものの、父親を諭す事は出来ず、原田先生に事を話します。原田先生は父と子にボクシングでの決戦を提案…というか強制する。家族を殴る父と、かねてより若林を言葉や態度で虐める明智は同じであり、2人とも殴り合いが好きでしょ、と。

以下は好きなシーンと気になった各個人の印象を順不同。

明智がクラスに来なくなり、心配する東条と若林。屋上のタコパシーンが束の間の癒し。今回怖いシーンが多いから…。

東条は明智への誤解を知り、そして無視をされ続ける原因は、明智の地雷を自分が踏み抜いたことだと気付きます。間違いに気付いたら、素直に謝ろうとする部分が東条のピュアで愛しい部分。自らも原田先生の言葉を受け瞳を揺らしながら、俺もこいつと一緒なのかな、と弱々しく呟く明智に、お前は絶対違うから!と泣きそうな顔で叫ぶ姿がまっすぐでとても熱いです。自分も若林を虐めていたことに関しては、若林が許していることもあり東条は直接原田先生から喝は食らっていないのですが、他人を介して度々チクチクと、自らが若林にしていたことのように痛感しているように見えて。イジメの事実は加害者も苦しめる、よく出来た構図だと思います。東条は過ちに気付き、向き合おうとする子なので、ちょっと向こう見ずだけど真っ直ぐで強いんです。6話分で書き忘れたけど、東条の母親はとっても明るく毎回授業参観にくるとのことなので、東条の発言だけが原因なわけではなく、明智の僻みも含まれていたような気もしています。

若林。明智に謝りたい、そう告げる東条の顔を優しい顔で見つめる若林が5話の逆パターンでニヤけてしまいました。明智と東条の関係を一歩後ろから見守りつつ、自らも明智を許せるかは謝ってもらってから考えると言い切る結構上からな発言のブレなさ。謝ってくれた東条を肯定する若林がいたからこそこの屋上の関係があるのでここの一言も個人的にかなりぐっと来ました。傷だらけで自分に向き合い何度も謝る明智を見つめ涙を貯め、のちに明智腫れた目を叩きこれでチャラだと笑う若林は優しさの塊。優しくも自らの意思に正直で付き合う友人は自分で選べる強さが若林にはあります。

…そんな2人が、リングに飛び込んで明智に駆け寄り、お互いのできる形で明智を守ろうとする画が7話の中で一番好きです。父親に罵倒され顔に唾を吐かれた明智に我先に駆け寄り顔の唾を自分の制服の袖で拭う若林と、明智の父親の前に立ち無言でガンつける東条。永井先生と原田先生のやりとりに、自分の出来ることをすればいい、という言葉があったのでこの2人の「出来ること」の形と差にひたすら痺れた。

明智は思ったより可哀想すぎました。結局明智の母も明智とは連絡を取っていないようで我が身可愛さに200万の事を伝えてしまったのか、それとも保護した警察?保護団体?経由で伝わってしまったのか。世間の綺麗事のように大人に期待をしても守ってなんかもらえない。荒んでいく心が手に取るように分かる生い立ちで。威圧的な立ち振る舞いと、教師になった理由は金目当てだと言い切った原田先生をターゲットにしたのも、大人とお金が原因で人生を狂わされたからと納得できます。自分に迫る脅威が怖く、人より秀で、人の上に立ち先に自分が制圧することで少しだけ安心を得て必死に自分の居場所と立場を守ってきた身、今更他人に頼れず、追い詰められて父親のいいなりになる他なくなってしまったんですね。そんな明智の現状を原田先生は強引にクラスメイト全員に共有させて、誤解を解き理解を求めます。明智は軽蔑していた父親と自分が同じと言い切られ、父親のことは一度も殴れずKO。一度気絶しクラスの輪の中で目を覚ました明智は、原田先生と自分の父親の決戦を見届けます。東条や若林と和解するも、やはり学校を辞めると告げる明智に私を倒してから辞めろと言う原田先生。明智がいくら殴っても倒れることも殴り返すこともなく、震える拳を受け止められ、崩れ落ち泣く。めそめそ明智が愛しいです。後に父親と再び対面、父は働いた分の給料を届けに来てくれました。…その場で一万円だけ抜いて。その時明智はあの日落とした、父のトレードマークの黄色いサングラスを返そうとするのですが拒まれます。持ち帰り取っておいた明智と、もう色眼鏡には執着しないぞと言わんばかりの父親のプライドが見えて良かった。完璧主義で意地っ張りなところが良く似ているんですよね。明智の父は本当に更生したのか?疑問は残る結末ですが、曖昧な表現でもお互いへの良い変化が感じられて私は好きです。父のかつて掛けていた色眼鏡を捨てたり割ったりはせず、最後は息子が拾ってくれる脚本が良いなぁって。

あと今回改めて気になったキャラは牛久保。冒頭でもういいよあんな奴、って言っていたのに父親に殴られ続ける明智をとても心配そうに見ていたお顔の差にまさかとギャップ萌え…。その場の中心人物を見極め、逆らうと痛い対象には従順で、ノリが良く、感情を隠さず当たりは強くも、東条より同性ウケしているように見えるし、空気が読めるというか自然に上手くやれる無自覚に器用な人の典型な印象を持っている彼。反応が一番リアルな高校生男子ぽくて好きでしたが、7話で明智を慕う気持ちがまさかの形で見えたので私の中の株が爆上がりしました。取り巻き(ごめんなさい)の皆さん、なんだかんだ明智大好きで微笑ましい!!

ふとした矛盾には、社会の仕組みを無知な子供こそ多分良く気付きます。その無邪気などうしてに、自らも納得して子供も納得する答えを見つけられる大人って一生のうち出会える人の中に果たして何人いるのかな。大概の人は自分の生活に必死でそれどころではないのはわかっていて。期待して、叶わなかった時に相手を恨んだり悲しくなるくらいなら最初から自分一人で完結したい。人に期待をしないので、私にも期待をしないで欲しいみたいな。変な正義感や自己犠牲の思考とかこの意固地な考え方とか…6〜7話で原田先生が里見先生や明智に突きつけた言葉のまま、思春期に親に対して不快だった部分が、少し形を変えただけだったりして。よく似ている。未熟な私の一番身近な成熟した人間が両親でそれを見て育ち、この先書類上縁を切ろうが、誰がどこで何をして、誰が先に死のうがDNA上この家族の中で生かされた事実だけは覆らない。家庭環境に限ったことではないけど、我慢や不本意、憎しみが募り募った負の連鎖は悲しいよ。

このドラマのような話も、本当に届くべき方に果たして届くのかどうか。でもこうして映像という形になることで、人目に触れたり話題になる機会になるから良いですよね。親も子も、未来への道が開けたり、助けが必要な病める心が見つかって救われる事を願います。助けが必要な心に気付いても、周りや本人の意思に拒まれたり自分のリスクと天秤にかけて踏み込めないことも多い。原田先生のように、常識に囚われず壁を無理矢理壊さないかぎりその先がどうなっているかなんて分からないけれど、壊した壁の瓦礫の下敷きにして傷付け逆に殺してしまったら意味がない。その点では、原田先生は明智の中の強さを見抜き、どうにかできると判断した。信じてくれていたんでしょうね。一人一人患部は違うだろうし親子問題って難しー!うう、自分が親になれる気がしないわ、今はなりたいとも思えない。

前回と今回で色々書いてますが私は家族は普通に好きです。

でも親子として扱われる機会が多かった昔よりは、別居してたまに遊んだり会いに帰る友達のような今の関係の方が楽です。…お互いに好きな場所で生きられて、良い顔できてるなぁと思うのでね。それを許してくれる家族なんで、私も恵まれていると思っています。

 

とにかく明智が救われてよかったー!!そして予告の女装!!重苦しい雰囲気を吹き飛ばした爆弾すぎる予告映像だった8話が放送されましたね、また間に合いませんでした泣

まだの方は心の準備してレッツ8話!

みんな可愛かったし、いい話だった!

ではまた。

来週も土曜22時は俺スカ!!もう直ぐ終わっちゃうの寂しいです…。

引き続き一緒に楽しめたら嬉しいです。

ありがとうございました。